アドビ システムズは9月15日、日本最大級のデジタルマーケティングカンファレンス「Digital Marketing Symposium 2015」をANAインターコンチネンタル東京で開催した。今回は過去最多となる2200名超の参加があり、日本企業のデジタルに対する関心の高まりを肌で感じる1日となった。
アドビが主催するデジタルマーケティングイベントの開催は今年で6回目。参加者は2200名を超え、日本最大級のデジタルマーケティングカンファレンスとなっている。
年々、増加する参加者 今年は2200名超が参加
アドビ システムズ(以下、アドビ)では、デジタルマーケティングソリューションの提供を本格的に開始した2009年より、毎年1回デジタルマーケティングイベントを開催してきた。6年目を迎えた今年のテーマは「デジタル変革」。「日本企業に求められる“Digital Transformation”」と題した基調講演には、アドビ代表取締役社長・佐分利ユージン氏、デジタルマーケティング事業部門ストラテジー、ビジネスデペロップメント&マーケティング担当ジョン・メラー氏(バイス プレジデント)、ソニーマーケティング代表取締役執行役員社長・河野弘氏、全日本空輸(ANA)マーケティング室マーケットコミュニケーション部デジタルマーケティングチームリーダー・冨満康之氏らが登壇。国内外のデジタル活用の先進的事例や進化するアドビ提供ソリューリョンの最新動向が紹介された。
「この6年間でさまざまな変化があり、私たちの生活からデジタルは切り離せない存在になった。さらに、これからも続々と新たなデバイスが誕生するだろう。企業と個人、どちらも変革の時を迎えている」と佐分利氏。ジョン・メラー氏はグローバルにおけるデジタルマーケティングのトレンドについて、「現代のマーケティングは、広報・宣伝のような購入前の施策だけでなく、顧客との継続的なつながりを構築するような購入後の段階まで、カバーすべき領域が広がってきた」と言及。その上で、グローバルから見た日本の可能性について語った。
デジタルシフトで変革を日本企業の新たな取り組み
アドビのソリューションを導入し、デジタルシフトに取り組んでいるソニーマーケティングの河野氏からは、デジタル一眼カメラαの事例を中心に同社のデジタルマーケティングの取り組みが披露された。同社ではオンラインでの行動履歴などの分析により、見込み度の高い潜在顧客を発見し、購入につなげるだけでなく、購入後にも一人ひとりのお客様に合ったコミュニケーションを展開。エンゲージメントを深めることで、関連商品の売り上げ拡大につながったという。
カメラは特に、購入した直後の使用経験の有無が商品に対する満足度に直結する。購入後もメールなどを通じ、使用価値や体験価値を伝えるコミュニケーションを継続したことが、結果的にライフタイムバリューの向上という成果につながっている。河野氏は「デジタルは万能ではない。デジタルとリアル店舗の双方を活用し、お客さまの顔が見えるようなコミュニケーションを重視している」と力説した。
続いてはANAの冨満氏が登壇した。航空業界はネットの登場後、航空機の予約・搭乗手続きなどのサービスが劇的に変革した業界だ。加えて近年、スマートフォンが浸透しており、航空会社は従来の搭乗中を中心とした人的コミュニケーションだけでなく、搭乗前、さらには搭乗後も一人ひとりのお客さまとの接点の一つとして重視すべき時代になっている。「航空会社においても、デジタルを基点とした新しいサービス設計も考えられる時代」と冨満氏。同社では広告やマーケティングといった領域を一体化し、さらに、お客さまにとって魅力的な体験を提供できるデジタルの活用を目指していく考えだという。具体的には、お客さまにとって適切な場面で、適切なチャネルを使い、適切な体験を提供できるようデジタルの活用を推進している。
午前の基調講演に続き、午後には5つのテーマからなる、合計で26のセッションが開催に。業種・業態や企業の規模、歴史によって適切なデジタル活用の在り方は異なるものだ。
しかしながら、多様なセッションであらゆる企業のマーケターにとって「日本企業に求められる、Digital Transformation」の在り方を感じられる1日となった。
アドビ システムズ 代表取締役社長・佐分利ユージン氏
アドビ システムズ バイス プレジデント ジョン・メラー氏
ソニーマーケティング 代表取締役執行役員社長・河野弘氏
ANA マーケティング室マーケットコミュニケーション部デジタルマーケティングチームリーダー・冨満康之氏
お問い合せ
アドビ システムズ 株式会社 〒141-0032 東京都品川区 大崎1-11-2
http://www.adobe.com/jp/marketing/