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宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

ターゲットに正しく届ける 「コミュニケーション設計」

田中みのる(ライズマーケティングオフィス)

紙メディアの特性とメリット

インターネットやSNSが大きく拡がり、企業も個人も皆その恩恵を感じています。ただ、「情報」としては膨大すぎるため、発信者としては、すでに顧客である、また顧客になり得る「生活者」に、自分たちの情報が届いているだろうか?目に留まっているだろうか?と不安になります。

その点、派手さは少ないものの、実際に手元に「カタチ」として存在し得る「紙媒体」はダイレクトメディアとしてビジネスシーンにおいて、まだまだ活躍の場はあります。

あなたは「紙媒体」と耳にして何が思い浮かびましたか?

「チラシ」でしょうか?「カタログ」?「リーフレット」?それとも「DM」?……種類はたくさんありますね。

販売促進にメディアを活用しようと、WEBページやSNSを設計するときは特に、どんな「コンテンツ(情報)」を掲載するかを考えます。

もちろん内容も重要なことですが、「メディアにどんな内容を盛り込むか?」をつくりこむ前に、「販促活動の全体像を把握」することが大切です。

簡単に表現すれば、「誰に」「どんな販促物を使い」「何を伝えて」「どう行動してほしいか」の4点です。そして販促物にメディアを活用するのなら、紙に限らず、その「媒体ごとの特徴」を再確認してほしいのです。

媒体の特徴とコミュニケーション設計

もちろん「誰に」の部分に当たる「ターゲット」の選定はすでに行っていると思います。だからこそ、そのターゲットに届ける「媒体」について、再度考察して欲しいのです。

例えば「チラシ」といっても、それをひとくくりにせずに、「何チラシ」を使うのか?を具体的にすべきなのです。『新聞折り込みチラシ』なら、当然ながら「新聞をとっていない」人には届かない。逆に言うと「新聞をとっている層」には届くということ。そしてほかのチラシと一緒に「束」になって手元に届くという事実です。

『ポスティングチラシ』は、「どのエリアを狙うか?」が重要になります。時間帯なども考慮の範囲に入れるべきでしょう。さらに、戸建て、マンション、外観から感じるライフスタイル……加えてポスティング業者選びも重要になります。

『手配りチラシ』なら「どこで配るか?」という場所も大切ですが、「どんな(見た目の)人」に配るか?また、「どんな人」が配るか?も重要になります。配布エリアによっては、いろいろ許可を取らなければいけないことも出てきます。

『設置型チラシ』はまさに「どこに設置するのか」が第一。さらに、近寄って手に取ってもらわなければいけないのでPOPなどと一緒にセットすることが基本となります。

『同梱チラシ』は、「何か」と同梱されるわけです。同梱物と全く関係ない内容だと、「ただのゴミ」と認識される場合がありますし、売り込み色を強く感じれば不快に思われる方も出てくるかもしれません。

このようにチラシ一つとっても、色々違ってきます。もちろん「カタログ」「リーフレット」「DM」も同様です。

では、これらは何が違うのでしょうか?それは「接触シーン」の違いなのです。つまり、販売促進のためのメディア活用は、生活者との接触シーンを意識した「コミュニケーション設計」から行わなければならないのです。

ダイレクトメディアで有効なクリエイティブ開発

「その媒体」が想定した「ターゲット」の手元にリーチする算段がついたなら、いよいよクリエイティブ開発の細かいところを調整します。「何を伝えるのか」という情報と伝え方が重要になります。

究極の情報伝達は、「手紙」や「電話」による、1対1のコミュニケーションでしょうが、販売促進の企画の現場ではある程度の効率が求められます。生活者は良くも悪くも「情報」が欲しい時に、ほぼ無料で手に入る状況に慣れています。興味が持てない情報は読んでくれさえしません。しかし、時には「検索してでも」読んでくれることもあるのです。ですから「情報」は「ターゲットの知りたいこと」を盛り込まねばならないのです。「企業が言いたいこと」ではダメなのです。

興味を引く方法として効果のあるもののひとつに「?」を活用した呼びかけがあります。特に「キャッチフレーズ」を考える時に有効な方法のひとつです。「キャッチフレーズ」は「興味」を呼び起こすためのものですから、「?」を使って呼びかけ、都合のいいQ&Aのコミュニケーションを準備して「販促シナリオ」とするのです。

単純な例としては、「知っていましたか?」とか「もう体験しましたか?」など質問で呼びかける方法です。

目にした人は、「何だろう?」と感じます。その後、キャッチフレーズにつながるボディコピーを読ませるのです。キャッチフレーズづくりで、一番気を付けなければいけないのは「風景化」したコトバになっていないかのチェックです。どこでもよく見るようなコトバは目に映っても記憶に残りにくいものです。コトバの記号化とも言いかえる事ができます。

例えば、季節感を感じさせようとしているのかもしれませんが、「オータムフェア」とか「ウィンターセール」などのキャッチフレーズは「風景化」しやすいコトバと言えます。サブキャッチなどには向いているかもしれませんが「メインキャッチ」には弱いのです。

それ以外に効果の出やすいクリエイティブ開発のテクニックとしては、関連する「テーマ」からアプローチをしてクリエイティブ設計をする方法です。テーマアプローチの基本パターンは3つあります。

•「ターゲット像」からアプローチする

「ターゲット」を絞り込む代わりに、「ターゲットのイメージ」を優先します。例えば「バリバリ活躍するビジネスマンが持つべきアイテムをそろえました」などがそれにあたります。この方法のいいところは、人それぞれ「バリバリ活躍するビジネスマン」のイメージが違っていても対応できることです。絞り込まないがゆえに広く呼びかけることができます。

•「時期やイベント」からアプローチする

「春に必要なモノですが、秋に選ぶ理由があるのです」「ずっと感動が続くクリスマスプレゼントはこちらです」などの表現です。従来の「季節感」を意識したコピーではなく、より具体的な行動や感情に切り込んでいます。いずれも本文(ボディコピー)で説得力のある紹介文が必要になりますが、「今買う理由」は伝わりやすくなります。

•「エピソード」からアプローチする

開発秘話やお客さまの声を活用する切り口です。情報があふれかえっている時代なので、生活者は商品やサービスの背景に敏感になりました。それらを考えた「親子の絆を深めてくれました」とか「当初はたった一人のお客さまのために開発した商品でした」などが表現例です。生活者は商品をスペックだけで選ばず …

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