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広告ビジネスを変える!? ベンチャー企業の挑戦

スマホが資産管理デバイスになる未来のために

メタップス

世界8ヵ国に展開する同社。スタッフも国際色豊かで、さまざまな視点からの意見が飛びかう。

「強くなるビジネス」を見つける

日本を含めた8カ国、一気に海外展開を図り、宇宙やロボット分野などの未来を見据えた新規事業開拓を行い今年8月には東証マザーズへ上場を果たした、メタップス。学生時代にSEO分野で起業、2011年にアプリ収益化プラットフォーム「metaps」を、2014年にオンライン決済プラットフォーム「SPIKE(スパイク)」をスタートさせ、現在の形になるきっかけを代表取締役の佐藤航陽氏に聞いた。「当社の軸はアプリマーケティング支援と金融サービス分野の2つです。SEOからこの分野にシフトし、『metaps』をつくろうと思ったきっかけは、中国とアメリカを訪れたこと。現地の起業家や投資家と次のメガトレンドについて話す中で、多くの人が『スマホがインターネットの中心になるのは間違いない』と言っていました。それなら、スマホの普及に合わせてアプリも広がり、早晩『アプリで利益を出すにはどうしたらいいか』という課題が世界中で発生するだろうと。だから、最初からグローバル展開を視野にサービスをスタートしたのです」と構想の原点を話す。

サービスリリースの順番は「metaps」の後に「SPIKE」だが、構想としては初めから決済・金融分野にフォーカスしていたという。「スマホを見たときに“ 資産管理や電子マネーをはじめ、ほとんどの商取引がスマホを通して行われるだろう”と思いました。その時グローバルで活躍できるのは、やはりお金の流れを握っている企業です。ただ、私たちがいきなり金融分野に進出するというのは規模を考えても現実的ではなかったので、まずは『metaps』を多くの企業に使っていただき、そこで得られるデータを蓄積し、アプリにおけるお金の流れを把握してから、金融に進出しようと考えました。『metaps』と『SPIKE』は、一見全く異なる事業領域に見えますが、人がどのようにお金を使うのかという軸で考えると、根幹は同じなのです」と佐藤氏は話す。

早い段階からアプリの収益化をサポートするサービスを展開した同社。普及段階では、苦戦することも多かったという。最もハードルとなったのが「企業の世論形成」だ。ガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ」がヒットし、アプリ課金に注目が集まる前は、多くの企業がアプリビジネスに懐疑的だった。「我々は、もうすぐアプリの時代が来ると理解していましたが、当時、ほかの企業の理解を得るのは難しかったですね。その期間中は、ビジネスをどうつないでいくかを考え、がんばっているメンバーを『結果は出なくても、正しい方向に進んでいるんだ』と鼓舞してゼロをイチにしていきました」と当時を振り返る。

さまざまな分野で進むボーダレス化

佐藤氏は今後の広告・マーケティング業界の動向についてどう考えているのか。最初に挙げたのが、ソーシャルゲームのノウハウの、他領域への転用だ。「我々のクライアントはゲーム業界が多いのですが、ソーシャルゲームは社会の縮図だと思っています。だから、そこで人がどうしたらお金を払うのかを突き詰めて考えている彼らのノウハウは、そのほとんどがほかの領域に転用できます。ECはもちろんのこと、実際の店舗でも十分役立ちます。すでにその流れは始まっていますが、今後さらに広がると思います」。

次に挙げたのが「あらゆる領域の統合」だ。「両方の領域を手掛けていて感じるのが、広告業界も決済業界も、構造は全く一緒で …

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