連携により地元のPRにつなげる
高速道路や新幹線など高速交通網の整備が進み、県境を越えた住民の往来が増えている。こうした状況を捉え、複数の地方新聞社が特定のテーマで合同Webサイトを立ち上げる動きがある。地元での取材力や情報網を生かし、観光情報などを広く発信する取り組みが活発化している。
茨城新聞社、下野新聞社(栃木県)、上毛新聞社(群馬県)は10月1日、北関東の観光情報を発信するWebサイト「きたかんナビ」を共同で開設。3社それぞれの紙面やWebサイトに掲載した記事や写真、動画を合同サイトに配信し、3県の魅力を伝える取り組みだ。
サイトは「レジャー」「食・グルメ」「パワースポット」といったテーマごとに、地域の名所や観光などに関するニュースを一覧で見ることができる。秋の観光特集ページでは、3県の「紅葉マップ」を配置。各県100以上のエリアに細かく分割された地図に紅葉の状況を表示する。このほか、地域のイベントを紹介する動画も豊富に盛り込む。
パソコン、タブレット端末、スマートフォン、それぞれに最適化された形での閲覧が可能だ。各記事に位置情報を登録し、利用者の現在地から距離が近い順にニュースを表示する機能も備える。
2011年の北関東自動車道の全線開通以降、3県の交流が深まっている状況があるという。県を越えたさまざまなニュースを見ることができるサイトの利点を生かし、地元のPRにつなげたい考えだ。
北陸新幹線の金沢延伸(3月14日)を見据え、1月に開設された「北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ」は、信濃毎日新聞社(長野県)、新潟日報社、北日本新聞社(富山県)、北國新聞社(石川県)、福井新聞社の5社による合同の観光情報サイトだ。各社が紙面に掲載した観光に関するニュース、各地のおすすめイベント情報やスポットなどを紹介している。
「きたかんナビ」は「北陸・信越観光ナビ」と、記事の見出しを掲載し合うといった連携を検討しているという。
東奥日報社(青森県)、岩手日報社、河北新報社(宮城県)、秋田魁新報社、山形新聞社、福島民報社、福島民友新聞社の7社は …