同社では今後、O2Oサービスと連携する決済サービスにも注力する。
最適な情報を最高のタイミングで狙った消費者に届ける
いまや、メールマガジンの開封率は1パーセント近くまで低下していると言われている。そうした中で消費者にメッセージを送る施策としてここ最近注目されてきたのが「プッシュ通知」だ。
スマートフォンの待受画面に直接メッセージが表示されるので、視認率が非常に高いことが企業に支持されている。アイリッジは、顧客の属性や位置情報に基づいて、もっとも効果の見込めるタイミングでプッシュ通知を行えるO2Oソリューションサービスをメインに事業を展開している。同社代表取締役の小田健太郎氏は、「もともとコンサルティング会社にいた背景もあり、BtoCではなく、企業活動をモバイルによって支援するBtoB事業の方が強みを活かして価値を出しやすいと考えました。
当時、企業はメルマガ以上に生活者に届きやすいツールを求めていましたが、具体的な施策はありませんでした。そこで、いくつか方法を提示する中で位置情報を利用したモバイルマーケティングに強く興味を持っていただけたので、そこに注力しようとサービスをスタートしました」と起業のきっかけを語る。
フィーチャーフォンの時代は、位置情報と言っても消費者にサイトでクリックしてもらうなど、能動的に行動してもらわなければ正確な位置情報を得られなかった。しかし、スマートフォンの普及によって「消費者が店に近づいたらクーポンを送る」といった施策も可能になった。
現在、大手を中心にO2Oに取り組む企業が増加しているが、こうした変化がマーケティングに与える影響について小田氏は「例えば、偶然店舗の前を通りかかった人に向けて、タイムセールの情報を配信する、といったピンポイントな告知が可能になりました。これによってマーケティングの考え方の軸がひとつ増え、ビジネスチャンスが拡大したと考えています。あと数年したらO2Oという言葉がなくなるくらい当たり前になると思います。そうなればより強い影響が生じて ...