インタラクティブでエンタメ性ある「ゲーム」が広告の可能性を拓いていく
絵画からキャリアを始め、3DCGや現代アートで社会課題に挑むアーティスト、藤嶋咲子さん。「バーチャルデモ」ではSNSの力を可視化し、「WRONG HERO」ではジェンダーバイアスへの問いをゲーム形式で表現するなど、新しいアートの形で人々の抑圧された声を浮かび上がらせている。広告やメディアが抱える課題に対しても、独自の視点を投げかける。
私の広告観
プロデュースユニットm-floのラッパーとしてだけではなく、自らのアクセサリーブランド「AMBUSH®」や3Dプロジェクションマッピング、モーションキャプチャースーツ等の最新技術を提供する会社「WHATIF」を経営するなど、幅広く活動するVERBALさん。様々なアーティストをフィーチャリングしてきたからこそわかる、コミュニケ―ションのポイントについて聞いた。
ラッパー・DJ VERBALさん(バーバル)
1975年生まれ。1998年、avex/rhythm zoneより『m-flo』のメンバーとしてデビュー。2003年より、楽曲ごとにアーティストをゲストとして迎える『Loves』プロジェクトをスタート。音楽活動以外にも、「AMBUSH®」などのアクセサリーブランドを運営する「有限会社 柳」や、3Dプロジェクションマッピング、モーションキャプチャースーツなどのデジタル技術を活用するクリエイティブエージェンシー「WHATIF」を設立している。
「フィーチャリング」とは、楽曲においてアーティストをゲストに迎えること。VERBALさんはフィーチャリングを“相手の特性・能力を引き出して、できあがったものの価値を最大化する方法”と捉えている。2003年からm-floで取り組んできたフィーチャリングプロジェクト「LOVES」では41組ものアーティストをフィーチャリング。そこには、和田アキ子さんや坂本龍一さん、安室奈美恵さんなど、ジャンルの異なるアーティストの名前が並んでいる。
たくさんのフィーチャリングを手掛けてきた中で、成功のために心がけていることを聞いたところ、「最初は、成功するかどうかということは全く考えていません」とVERBALさん。当然、成功する方が相手にとっても自身にとってもメリットがあるのだが、それよりも大事なのが「相乗効果があるか、一緒に行うことに対してエネルギーを感じられるか」なのだという。
「たとえ、これなら成功して売れそうだという話であっても、お互い興味がないプロジェクトであれば、1+1が3や4になることはないと思います。頑張った分だけしか成果が戻ってこないのでは、お互いエキサイティングではないし、未知のリターンが得られません。だから、フィーチャリング、コラボレーションを考える際にはまず、お互い興味が持てる内容であって、そこから未知のリターンが得られそうかどうか、面白いかどうかがスタートとなるのです」。
したがって、そうした価値を感じてもらいフィーチャリングを実現するには …