さまざまなWebサービスのスマートフォン対応が進み、また決済サービスが発達したことで、「いつでも・どこでも」購入できる環境が、現実のものとなってきている。
変化する「出会い方」と「買い方」
ここ数年で、生活者の買い物体験に影響を与える3つの変化が国内外で起こっています。一つ目は「商品との出会い方」の変化です。LINE、Facebook、TwitterなどのSNS、好みのニュースをフィードしてくれるキュレーションメディア、まとめサイト…朝起きてから眠りにつく寸前まで、生活者は手のひらの中でコンテンツに接触し続けています。そこでは、「商品」が「興味をそそるコンテンツ」へと仕立て直され、生活者へと届けられていく仕組み(ネイティブ広告など)も生まれています。その気になればいつでも「興味をそそるもの」と出会える状況にあり、今はむしろ飽和状態にも見えます。
二つ目は、「買い方」の変化です。流通業界を中心に、オムニチャネルという概念がサービスとして具現化されるにつれ、買いたい時に、買いたい場所でストレスなく買うという体験が当たり前になりつつあります。同時に、電子マネーやクレジットカードと連携したさまざまな決済サービスがスマートフォンに対応し、1台でリアルな店でもECでも決済できる状況が整ったことも見逃せません。米国を中心に「決済」というフィールドは、いま猛烈な勢いで数々のスタートアップを生み出しています。そして三つ目は、この「出会う」と「買う」がスマートフォン上でどんどん一体化し、買い物のタイムラグが消えつつあることです。例えば海外では、Facebookをはじめとする、さまざまなプラットフォームで「buy(買う)」ボタンを設置する実験が始まっており …