「立ち上げ当初、志を同じくするメンバーを集めるのには苦労しました。それだけに、一緒にこの世界に飛び込んでくれたメンバーには感謝しています」と松崎氏。
失敗を糧に成功できることが強み
実現したい商品・サービスに関するアイデアをプロジェクトとして発表し、それに共感した支援者から、ネットを通じて資金を集められるクラウドファンディングサービスの「kibidango(きびだんご)」。同社 代表取締役の松崎良太氏は、銀行勤務や楽天を経て起業するにあたり“成長する事業を応援したい”という気持ちが強くあったという。「SNSが普及したことで誰もが自分の考えを世界に向けて発信できるようになりました。そうした中で、ビジネスを支援する新しいことがしたいと考えていた矢先に、米国の『Kickstarter』に出会いました。創業者にも会う機会があり、こうした事業応援の仕方は必ず日本でも広がり、成長するに違いないと思い、kibidangoを立ち上げたのです」と創業のきっかけを話す。
クラウドファンディングサービスとして、ほかと差別化したのが“ECとクラウドファンディングの融合”だ。クラウドファンディングのプロジェクトには、見返りを求めない、いわゆる“寄付”を募るものも多くある。松崎氏は「寄付は相当、強い想いがないと続かないので、それをベースにしてしまうと、支援し続けられるのは、限られた人になってしまいます。そこで寄付以外の要素、具体的にはECの要素を加え、出した金額に見合う価値を受け取れる“等価交換”の考え方を組み込むことで“まだ市場にない、未来の商品を買う楽しさ”を味わってもらえると考えました。この仕組みにより、1回だけではなく、継続的にクラウドファンディングに参加し、商品を購入してもらえるのではないか。そこにチャンスを見出したのです」と話す。
最近、顧客とコミュニケーションしながら商品・サービス開発を行う企業も増えている。松崎氏は、そうした企業側の姿勢の変化も、大きなビジネスチャンスと捉えている。「企業が顧客と直接つながりたいと考えるようになってきたのは、我々にとっても追い風です。なぜなら …