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私の広告観

「何事も自然体で対応する」花職人のコミュニケーションの極意

赤井勝(花人)

海外の在日大使館夫人を対象にした花の教室を開いたり、ローマ法王ベネディクト16世に謁見の際にブーケを献上したりするなど、海外の人との交流が盛んな赤井さん。さまざまな国の人たちとのコミュニケーションをどのように行っているのかについて聞いた。

花人 赤井勝花人さん(あかい・まさる)
1965年、大阪府生まれ。2001年在大阪ロシア連邦総領事館の装花を担当。02年電通本社ビル「光の庭」をプロデュース。04年ウクライナ大使館主催「赤井勝 装花の会」を開催。06年「Japan-Latin Ladies Association」加盟の大使夫人諸姉の「花の教室」を主宰。08年オリックス・バファローズ清原和博選手引退セレモニーでは引退式のセレモニーの装花を制作。09年には、謁見会場「パウロ6世ホール」にオブジェを制作。ローマ法王ベネディクト16世に謁見しブーケを献上した。

花は万国共通のコミュニケーションツール

大使夫人を対象にした花の会の様子。月に1度くらいの頻度で行われている。任期が終わるなどして日本を離れる際には、参加者の卒業式も行うという。

関西の実家がフラワーショップを営んでおり、祖父母も花づくり農家をしていたことから、常に花が周囲にある生活だったという赤井さん。なぜ、在日大使の夫人を対象にした花の教室を行うようになったのか。そのきっかけについて聞くと「特別な何かがあったわけではありません」と話す。

「実家の店がショッピングモールに出店していて、そのモールのオーナーが、関西におけるウクライナの『名誉領事』をしていました。名誉領事というのは、その国の人ではなくて日本人が領事の代わりをするといった仕組みです。それで、ウクライナから要人が関西に来るにあたっておもてなしをするので、花の演出を手伝ってほしいと言われました。その時に、東京にいらっしゃるウクライナ大使とその奥さまもいて、その縁でお花の会をするようになったのです」。

月に1度くらいの頻度で行われている、大使夫人を対象にした花の会。これだけ続いている理由の一つが、大使の夫人同士にはほとんど交流する機会がないことだ。「大使の奥さん同士で横のつながりがありそうなのですが、会を実施してみて意外とそうではないことがわかりました。むしろ、私の方がほかの大使の方々とつながりがあったりします」と赤井さん。国際外交における「プロトコール(国際儀礼)」が交流をしにくくしている面があるという。例えば公式行事があったとすると、その時の席の順番というのは、国の大きさなどではなく、赴任した順番となる。だから赴任してからの期間が長ければ長いほど、ずっと席は同じままで、隣り合う国もほとんど同じ。しかも公式行事は、プログラム通りに事が進むので …

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