6月24日、グーグル主催で「生活者の『意図』を活かしたモバイルマーケティングセミナー」が行われた。生活者のその時々の意図を読み取り、マーケターが生活者をとらえることができる瞬間(Micro-Moments)を軸に、モバイルマーケティングの最前線が語られた。
第1部「生活者の『意図』をとらえるMicro-Momentsを考える」では、グーグルシニアマーケティングマネージャーの小澤未生氏が登壇。生活者は、「知りたい」「行きたい」「買いたい」などといったさまざまな意図を持ち、そうした多種多様なニーズに対してテクノロジーを活用して応えることの重要性を強調した。「『Micro-Moments』とは、生活者が何らかの意図を持ち、目の前にあるデバイスを使って検索などの行動を起こす瞬間。マーケターにとっては生活者の意図を読み取り、働きかけることのできるチャンスであり、絶対に逃してはならない機会」と指摘。また、(1)いつ、どのように生活者のMicro-Momentsが発生しているかを見極め(2)適切なメッセージを適切なタイミングで届け(3)その効果を検証する、という3つのPDCAで回し続けることがROIの向上につながると話した。
第2部「Micro-Momentsを活かして認知を獲得し検討を促す」で登壇した、同社ブランドソリューションエキスパートの中村全信氏はYouTubeやグーグルディスプレイネットワーク上で発生しているMicro-Momentsのとらえ方に言及。「まずは生活者のコンテクストを理解した上でターゲティングを行い、生活者の興味関心に合わせた、ブランドとのHubとなるコンテンツや具体的なニーズを解決するHelpコンテンツでアクションを促す。その効果を分析して次に活かすことが重要」とし、動画広告を視聴した生活者のブランド認知度や検索上昇率、購入意向などを測定する新ツール「ブランド効果測定」を紹介した。
第3部「Micro-Momentsを活かしてコンバージョンを増やす」では、同社 パフォーマンスソリューションエキスパートの水谷嘉仁氏が登壇。生活者は複数回サイトを訪問しコンバージョンに至るため、「Micro-Momentsをすべて活用できればコンバージョンは増える」と説明。キーワードではとらえきれないMicro-Momentsをとらえるツールとして動的検索広告を紹介し、「成功の秘訣はデータ抽出の自動化」と、自動化導入後に約半年でコンバージョン数2.6倍、売上2.9倍の成果を上げた楽天市場の事例などを交えて解説した。「コンバージョンを増やすには、アトリビュ―ションを活用し、コンバージョン前のアシストをうまく見ていくことが重要」(水谷氏)。
第4部「Micro-Momentsを活かしてリレーションシップを強化する」で登壇した同社パフォーマンスソリューションエキスパートの緑川徹生氏は、スマホのアプリでMicro-Momentsをとらえ、ユーザーとのリレーションシップを深める方法として、
(1)シンプルでわかりやすくユーザーのMicro-Momentsに応え続けるアプリをつくる
(2)Micro-Momentsのシーンを想定し検索・ディスプレイ・YouTubeのプロモーションを展開する
(3)KPIを可視化してPDCAを回す、
の3点について説明。「アナリティクス解析ツールを活用してアプリがユーザーのLTV(顧客生涯価値)の向上にどのくらい寄与しているか正確に測ることが大事。LTVを把握することで、それを改善しながらロイヤルカスタマーを育てることが可能になり、獲得にどの程度のコストをかけられるかも初めて分かる」と語った。
最後に小澤氏が「機会を逃さないために、Micro-Momentsを確実にとらえているか、そのための施策がすべて盛り込まれているか、今一度モバイルマーケティングの見直しを図ってはどうか」と提示し、講演を締めくくった。
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