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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

生きた“菌”を届けて80年 海外でも支持されるヤクルト

ヤクルト本社

子どもからお年寄りまで、幅広い層に親しまれているヤクルトが今年、80周年を迎えた。生きた“菌”を飲むことでおなかの調子を整えるヤクルトは現在、日本を含め世界33の国と地域で販売されている。

(左)1935 ※戦後間もない頃のヤクルト      (右)2015

“菌”で人々の健康を守った80年

1935年に福岡市で初めて発売され、今年80周年を迎えたヤクルト。

現在販売している「Newヤクルト」は、1本(65ml)の中に200億個もの「乳酸菌 シロタ株」を含む。シロタ株とは生きたまま腸まで届き、腸内環境を整える乳酸菌の一つで、学術的には「ラクトバチルス カゼイ シロタ株」という名を持つ。ヤクルト本社の創始者で医学博士の代田 稔氏が発見した。

ヤクルトのコンセプトは、
(1)病気にかかってから治療するのではなく、病気にかからないような体をつくる“予防医学”
(2)栄養素を吸収する腸の環境を整える“健腸長寿”
(3)1人でも多くの人に飲んでもらうため“誰もが手に入れられる価格”で販売する、
という3つの柱から成る。このコンセプトは「代田イズム」と呼ばれ、現在もヤクルトをはじめとする、同社が抱える多くの商品に反映されている。商品を摂取することで病気を予防するという考え方は、現在各社が力を入れている特定保健用食品(トクホ)の考え方そのものでもあり、ヤクルトは80年にわたってその価値を提供し続けてきた。

同社は販売戦略においても、“菌”にこだわる。「ヤクルトには、生きて腸内に到達する『乳酸菌 シロタ株』が入っています。コミュニケーションでは、菌の価値を伝えることを重視しています」と同社 広報室の担当者は語る。そもそも、乳酸菌は、乳酸をつくる菌の総称であり、現在わかっているだけでも何百種類もある。その中で、シロタ株の特長をいかに伝えるかということが、他社商品との差別化につながると考えているという。

いたってシンプルな味わいも魅力の一つだ。製造のレシピは80年間大きくは変わっていないが、ロングセラー商品として、子どもからお年寄りの世代まで、幅広い層に支持されており、全国各地にファンも多い。さらに現在は世界33の国と地域で販売されるなど、海外でも親しまれている。

80周年の今年は、新たなロゴマークを制作。記念サイトを立ち上げ、この4月にはPOPやポスターで売り場の活性化を図る「ヤクルト80周年感謝祭」を実施した。今後も一人でも多くの人にヤクルトを飲んでもらえるよう、着実な活動を続けていく …

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