全21部門・4万133作品がエントリーし、100人以上のスピーカーが登壇、95カ国から1万3000人が来場した今年のカンヌライオンズ。編集部では、企業のマーケターを中心に、現地インタビューを敢行。各賞の贈賞式やセミナー聴講、スクリーニング、ネットワーキングなど、現地での体験を通じて感じたこと・考えたことを聞きました。
体感した、グローバルでの表現の感覚 明確なメッセージの重要性を再認識
現地では、さまざまな国の人々が集まり、テクノロジーや社会課題などについて、コトバやクリエイティブに表現された自国の社会性を含めて、グローバル視点でレベルの高い議論がなされていました。日本では無関心になりがちな社会課題に対する、表現のアプローチがたくさんあることに驚きました。グローバルでの表現の感覚を知れたのも大きな収穫です。スクリーニングコーナーの作品からは、メッセージが明確であることの重要性を改めて感じました。
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スクリーニングで発見 担当ブランドの課題解決のヒント
マーケターがカンヌに参加する意義は大きく3つあると思います。まず、先端の事例に触れて自分の仕事に生かせる発見ができること。事例は日本でも見られますが、一つの場であれだけの量に触れられるというのは思った以上に刺激的でした。2つ目は、セミナーで先端のグローバル企業の思想に触れられること。3つ目は、人脈ができること。日本から一緒に来ている広告会社の方と議論ができたり、他社の担当者と知り合えるのは魅力です。
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海外企業とエージェンシーとの強いパートナーシップを肌で感じた
受賞作品は全体的に、社会性を意識したものが多く、短期的なプロモーションや売上への貢献にフォーカスしたものよりも、長期的なブランディングを目指すものが主流になっていると感じました。海外エージェンシーの、クライアントの真の課題を掘り起こし、同じゴールを目指そうとする姿勢が印象的。広告主とエージェンシーが力強いパートナーシップを築いていると思います。また、ショートリストを集中的に見る参加者の勉強熱心な様子にも驚き、鼓舞されました。
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初参加にしてセミナーに登壇 日本に必要なのは“自ら仕掛ける”マインド
カンヌは今回が初めて。今年新設されたライオンズイノベーションのセミナー「Data-San-How Data Leads us to a Happier Life-」に登壇するために参加しました。日本の若い才能が、こうした世界の舞台で今後活躍していくためには、自ら仕掛けていこうというマインドが重要だと感じます。分野を越境し、構想し、行動する中で、失敗も成功も含めて経験していくことが、グローバル人材の要件とも思っています。
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見出したキーワードは「Brand Story」と「Humanity」
全社的にグローバル展開を強く意識していることもあり …