メディア環境が変化し、消費者の行動特性やライフスタイルが多様化する中、マーケティング・コミュニケーションの手法・表現も、時代に合わせた対応が求められています。ここでは、今年のカンヌから見えてきた3つのキーワードを通じて、ブランドが消費者と深くつながる上で欠かせない“作法”を考えます。
プロモ&アクティベーション/デザインの2部門でグランプリを受賞した、ボルボ「LIFE PAINT」。
Keyword 01
SOCIAL CHANGE
「社会に良いこと」を表現するだけでなく、その実現のために「人の行動を変える」ところまで踏み込んだか。
昨年までのキーワードだった「Social Good」から、「Social Change」へ─単に「社会に良いこと」の表現に留まらず、「社会を良くするために人の行動を変える」ところまで踏み込んだかどうかが、今年のカンヌにおける評価を分けた。昨年までは、「こんな面白い表現で、社会問題に気づかせた」というだけでも評価されたが、今年の受賞作品は、「世論を変えた」「人の行動を変えた」「市場を変えた」など、「結果」を伴ったものに精査された。そのアイデアは、既存の枠組みや価値観を変えるか。現実の人々の生活や、その国・地域の文化・慣習を変えるか。審査結果を見ると、その視点が強く意識されていたことが伺える。さらに、それを環境NPOや人権保護団体ではなく、ブランドが主体となって行っている点は特筆すべきだろう …
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