セブン&アイ・フードシステムズが運営するデニーズの「パンケーキ食べ放題」が、想定を大きく超える反響となった。プロモツイートの効果が高かったのに加え、SNSにおける顧客自らのオーガニック投稿の拡散が大きな役割を果たした。
2014年10月より行われている「パンケーキ食べ放題」。3月からはフレンチトーストの食べ放題もはじまってる。
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SNSで盛り上がったパンケーキ食べ放題
セブン&アイ・フードシステムズ
目標の2倍以上の売上を達成
パンケーキ食べ放題は2014年10月、約40店舗からテスト的にスタートした。自社サイトで告知すると、すぐにキュレーションメディアが記事として配信。若い世代を中心に話題が一気に広がり、店舗には予想を超える利用客が来店した。
テスト店での大盛況を受けて、実施店舗を拡大。口コミやSNSにより情報は拡散し、利用客は右肩上がりに増え、もっとも多い時期には、ほぼ全店舗で実施。現在も限定店舗で実施している。
パンケーキ食べ放題は、当初目標にしていた2倍以上の売上となっている。大きな反響を呼んだ理由を、同社 販売促進部 総括マネジャーの瀬戸昭広氏は、ファミリーレストランならではの“身近さ”にあるのではないかと分析する。
「ここ数年、パンケーキ専門店がメディアで取り上げられることも多く、消費者の目に触れる機会は増えています。しかし、調査したところ、実際に食べに行っている人はそれほど多くないことが分かりました。そんな中、専門店より自分たちにとって身近なファミリーレストランで食べ放題企画が行われているということで、もともとパンケーキに興味を持っていた人たちが来店されたのではないでしょうか」。
また、ヒットの要因としてもう一つ、利用客がトッピング具材を使って、思い思いにデコレートしたパンケーキ画像をSNSに投稿したことも大きかったという。デニーズのパンケーキ食べ放題は、1皿目にパンケーキのほか、アイス1個が付く。トッピング具材として、ホイップクリーム、フルーツ風味のソース、生フルーツなどが用意され、「お絵かきチョコペン」を使って自由に模様を描ける。多くの利用客がこれらを使って、オリジナルのデコレーションを楽しむようになり、大きな盛り上がりを見せることとなった。
「まるで“アート作品”のようにデコレートされたパンケーキの写真を投稿し、それを見た人からコメントをもらうという一連の行為が投稿者の承認欲求を満たしたのかもしれません」。
それを受けてデニーズは …