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食に見る、消費者の知覚の不思議

商品をプラットフォームに話題拡散 ガリガリ君の次なる施策とは?

赤城乳業

盛り上がりをみせる全国のブランド米やコーヒー市場のSNS活用など、いま気になるトピックを紹介。

「衝撃シリーズ」として発売された「コーンポタージュ味」、「クレアおばさんのシチュー味」、「ナポリタン味」。

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商品をプラットフォームに話題拡散ガリガリ君の次なる施策とは?

赤城乳業

能動的に情報発信しないながらも、「コーンポタージュ味」や「ナポリタン味」など、予想外のフレーバーがSNS上で話題となり売上を伸ばしてきたアイスキャンディー「ガリガリ君」。しかし同社では、従来の方法を変えていく必要性を感じているという。

ベースは第三者による口コミ

夏になり、暑くなるにつれて需要が高まるのが冷たいアイス。同時期にSNS上でその名をつぶやかれることが多くなるのが赤城乳業のアイスキャンディー「ガリガリ君」だ。1981年に発売し、現在の年間販売本数は4億本を超え、日本一売れるアイスとして老若男女多くの人に親しまれている。

定番の「ソーダ味」にはじまり、これまでに90種類以上のフレーバーがでている「ガリガリ君」だが、中でもここ数年で「衝撃シリーズ」として発売された「コーンポタージュ味」「クレアおばさんのシチュー味」「ナポリタン味」は世間を賑わせた。その予想を上回るフレーバーの感想やおいしい食べ方が、Webメディアやソーシャルメディアで話題となり、販売数を押し上げる要因となった。

意外にもSNSの公式アカウントを持たない同社だが、プロモーションの基本は、世の中で話題となる商品を提供し、口コミの拡散を重視しながら「第三者に話題を広げてもらう」ことだ。

口コミを活用したPR成功例として一番に名前があがるのが、2012年9月に発売された「コーンポタージュ味」。2010年に“まぼろしのガリガリ君”とも呼ばれた「梨味」が大欠品を起こしてから、商品を切らさないようにと売上の見込める定番商品でラインナップしていたところ、バイヤーから「攻めがない」と指摘されたことに奮起して誕生した商品だという。

発売前からWebを中心に話題が広がり、発売3日で販売休止になるほどの大ヒットとなったが、プロモーショとして実施したのはプレスリリース配信のみ。にもかかわらず、広告費換算で5億5000万円の効果を得ることができた。

これについて、同社で「ガリガリ君」のマーケティングを10年にわたり手がける萩原史雄氏は、「商品をプラットフォームにして、大きなニュースを発信して話題化することで、まずは普段アイス売り場に立ち寄らない消費者に売り場に来てもらうことを意識しました」と説明。

以降も「アイス売り場の新規顧客創造」のスタンスで、話題となるような商品を発売してきたが、以前のような効果を得ることは難しくなってきているという。

「2013年に『クレアおばさんのシチュー味』、2014年に『ナポリタン味』を発売しました。ある程度の効果はありましたが『コーンポタージュ味』に比べると反響は鈍化。消費者が触れる情報量がますます増える中で、このような“ネタ消費”と言われるような手法は効きづらくなってきていると感じています」と萩原氏は説明する。

各世代に向けてネタを仕掛ける

そこで萩原氏は …

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