近年、メディアによる報道や健康志向の影響により赤身肉やTボーンステーキ、熟成肉の価値が高まりつつある。長年日本に米国産肉の魅力を発信してきた米国食肉輸出連合会(USMEF)に、現在の日本市場におけるコミュニケーション戦略について話を聞いた。
情報誌『Be&Po』
熟成肉のブームが到来
米国食肉輸出連合会(USMEF)は、米国の食肉業界を代表して、アメリカン・ミートをより多くの国の人々に紹介することを目的にした団体。各種セミナーの企画やプロモーションの実施、情報誌『Be&Po』(季刊発行)による、米国食肉マーケット情報や業界のトレンド情報を発信している。また、売り場やレストランの装飾に便利なPOPツールなども無料で提供している。さらに、「農場から食卓までつながる安全品質管理」をコンセプトに、飼料の栽培から放牧、肥料、加工、流通のすべての行程において、衛生面での安全管理と品質向上を図る積極的な取り組みをPRする役割を担っている。
同会 シニアマーケティングディレクターの山庄司岳道氏は、大手流通企業でのマーチャンダイザーや、アメリカでの畜産関連プロジェクトなど、30年以上にわたり肉のマーケティングに従事してきた、精肉業界のプロフェッショナルだ。最近の市場の変化について同氏は、「いま、『ヘルシーな赤身肉をガッツリ食べたい!』という傾向が強まってきています。日本ではこれまで、ブランド和牛に代表されるようなきめ細やかなサシ(脂身)の入った霜降り肉を、しゃぶしゃぶや焼き肉など薄切りで食べることが主流でした。しかし、食品に対する“健康志向”が強まる中、脂身の少ないアメリカン・ビーフの厚切り赤身肉を、何週間もかけて熟成させて旨みを増したうえで、ステーキとして味わう食べ方がトレンドになっています」と話す …