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早稲田マーケティング・マネジメント研究会レポート

CSR/CSV活動とブランド価値評価の関係性

インターブランドジャパン 和田千弘

──早稲田大学商学学術院の恩蔵直人教授らが発起人となりスタートした、早稲田大学ビジネススクール修了生によるマーケティング研究会。

CSR/CSVに対する理解

ブランド価値を考える際、「CSR/CSVをどう評価するか」は非常に重要である。CSRにはいろいろな形があるが、受動的な社会貢献から、より戦略的になっていくべきである。マイケル・ポーター/マーク・R・クラマーの「競争優位のCSR戦略」によれば、「CSR(企業の社会的責任)は、贖罪や保険であってはならない。数ある社会問題のなかから、企業として取り組むことで大きなインパクトがもたらされるものを選択し、これを踏まえたうえでバリューチェーンと競争環境を改革することによって、企業と社会双方がメリットを享受できる活動を展開しうる」といったことを述べている。

日本企業の約7割はCSRの推進体制を設置していると言われている。日本企業におけるCSR/CSV活動は「法令遵守」が9割以上であり、「大きな経営課題はなにか?」という質問に対し「社会的責任の追求」と答える企業はわずか3%にとどまる。

ここで、大切になってくるのは、「基本的CSRとCSVの違いは何か」である。基本的CSRは企業の社会的責任として取り組む活動である。これは「守り」であり、善良な企業市民活動で、社会でビジネスを営むための入場料と言い換えることもでき、利益の最大化とは別物である。一方、CSVは戦略的CSRとも呼ばれ …

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