6月11日、日本情報通信(以下、NI+C)主催で「お客さまとつながり続けるためのビッグデータ活用セミナー」が行われた。70名を超える企業担当者が集まり、IT経験のないメンバーで従来比130%の購入率アップを実現したオートバックスセブンの取り組みが紹介された。
従来型のマーケティングに限界感
第1部「『全員データ活用部隊』の実現と具体的な取り組み・成果」では、オートバックスセブンのデータ活用を牽引した福島将人氏が登壇し、購入率を従来比130%アップさせた取り組みについて紹介した。
同社では、自動車関連市場の成熟化や若者のクルマ離れ、購買経路の多様化などに伴い、従来型のマーケティングに限界を感じ、2013年よりOne to Oneマーケティングに取り組んでいる。社内でも抜本的にマーケティング活動を見直すべきだという認識が広がる中で着目されたのが、会員データの重要性だった。「“顧客のインサイトを知り抜く”ことを目的に、『CRMプロジェクト』が立ち上げられ、社内に散在していたデータを集約、分析し、顧客像を再定義しました」と福島氏。
「DMでも店舗でもお客さまを知り抜いた上でコミュニケーションを図ることが重要」と強調する福島氏は「同じセグメントでも年代によって、伝えるチャネルや内容も変わってきます。同様に、年代×店舗×地域といった組み合わせでもマーケティング施策は変わる。それらをいかに最適化できるかがデータの活用にかかっているのです」と語る。
さらに、成功に至る具体的な取り組みについても解説。「『IBM PureData System for Analytics』導入による効率化はもちろん、それぞれのセグメントごとに効果を検証し、PDCAを回すことを徹底したことも成功要因。性別や年代、過去の反応率、会員区分、会員経過年数などの顧客属性を深堀りして検証しました。加えて日本情報通信と教育カリキュラムを組み、当初はITに不慣れでデータ分析未経験の集団だったメンバー全員が、現在はツールを活用できていることも大きい」とその成果を説明した。
最後に「最近は、データウェアハウスや分析・キャンペーンツールを導入するべきか悩んでいる企業も多い。当社も導入直後は本当に成果が出るのかプレッシャーを感じていましたが、具体的な成果が出ています。今後、データを活用するマーケティングの重要性はさらに増すのではないか」と語り、講演を締めくくった。
第2部では、NI+Cソリューション推進本部の安藤 舞氏が登壇し、オートバックスセブンの成功のポイントとして、(1)DWHを整備し、自由にデータを触れる環境を整備したこと(2)DM送付後のメールやPush配信によるフォロー(3)複数の部門を取りまとめ、CRMを推進するリーダー(福島氏)の存在を挙げると共に、そのカギとなった「IBMCampaign」の機能についても説明。「マーケター自身が、複数のデータソースにアクセスし、統合からセグメンテーション、サンプリング、チャネルとの連携といった一連の流れを管理できる。また、顧客属性や購買履歴などからセグメーションごとに、インタラクティブかつタイムリーなコミュニケーションを図り、コンバージョン率のアップを実現することができます」と、データ活用の有用性を訴えた。
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