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マーケティングテクノロジーの自社に合った選び方

異なるカーライフの顧客一人ひとりに最適な情報やサービスを届ける

セゾン自動車火災保険「おとなの自動車保険」

対面コミュニケーションで提供できる価値を、いかにWebで実現するか。Webコンテンツはセグメント毎に出し分けている。

さまざまなカーライフへの対応

クレディセゾンと安田火災海上(現・損保ジャパン日本興亜)が2002年に業務提携し、1982年に設立されたオールステート自動車・火災保険。1998年にセゾン自動車火災保険と社名変更して、現在に至る。同社では、2011年から主にインターネット経由で通販型損害保険商品を販売している。同社のダイレクト型自動車保険「おとなの自動車保険」は、年齢ごとの事故率を保険料に反映し、40・50代の加入者の保険料が割安になるのが特徴。また、「週末しか運転しない」「通勤・通学でクルマを使う」など、人によってさまざまに異なるカーライフに対応し、契約者ごとに必要な補償だけを選択することで保険料を抑えられる点などが支持を得ている。さらに、今年6月から過去1年間の走行距離に応じて「走った分だけ」の保険料を算出する仕組みとし、より多様なカーライフに対応できるようにしている。

テレビ、新聞、交通広告とさまざまなメディアで展開しているマスプロモーションも印象的な同社だが、デジタルマーケティングをより強化し始めたのは2013年のこと。「それまでは、マス広告を通じてWebサイトに誘引し、『よろしければ…』というスタンスで保険商品を紹介していました。しかし、お客さまとの接点が、ネットがメインの当社は、ネット上におけるカスタマーエクスペリエンスの質をより高めていくことが重要だと考えたのです」とマーケット企画部の野﨑将孝氏は話す。

元々、自動車保険は代理店の営業担当者が加入を検討している人に直接会い、加入の手続きをする「対面」での加入手続きが基本。しかし、そうした対面チャネルを持たない同社では、対面コミュニケーションで提供できる価値を、いかにWeb上で実現するかを追求している。「カーライフは十人十色で、お客さまの持つ疑問や悩みもさまざまです。居住エリア、年代、価格感応度、現在加入している保険とその満期月など、さまざまな切り口がある中で、どの組み合わせでセグメントするのが有効なのかを、データ分析を通じて明らかにし、コミュニケーションの精度を高めていきたいと考えています」(野﨑氏)。

特に、ダイレクト型保険への加入経験があるかどうかは、重要なポイントとなる。長年、代理店型に慣れ親しんできた人は、ダイレクト型に慣れている人に比べて、当然不安は大きく、疑問も多い。ダイレクト型では、そうした不安・疑問に応えるスタッフの役割を、主にWebサイトが果たす必要があり、そのためには適切なセグメンテーションに基づくパーソナライズが不可欠だ。

顧客・見込み顧客に「心地良い」と感じてもらえるよう、コミュニケーションのタイミングや情報の量・質を設計し、広告やWebサイトのコンテンツ、メールなどをターゲットによって出し分けている。「LPO(ランディングページ最適化)ツールやメール配信ツールといったマーケティングソリューションの活用によって、お客さまの満足度は確実に向上しており、それが成約率・継続率の向上にもつながっていると感じます」と野﨑氏。

機会損失を防ぐサポートを重視

現在メインで活用しているLPOツールは、5月に導入したばかり。選定にあたっては、システム部門と連携して次の4つの軸を決めたという …

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