「広告主もメディアも“業界全体としてマーケティング効率を高めよう”という意識が高い」と話す工藤氏。写真は、今年3月に移転した西新宿の新オフィス。
圧倒的大手企業が存在しない分野で勝負
「アドテクノロジーの分野は、本当の意味で技術力が勝負となると実感できたことが、この業界で起業した一番の理由です」と語るのは、「Geniee SSP」やアドネットワーク、DMP構築などを手掛ける、ジーニー 代表取締役CEOの工藤智昭氏。大学卒業後、リクルートに入社し、事業開発の部門でアドネットワーク事業の立ち上げ・導入を推進してきた。そのころRTB(リアルタイムビッティング)が出てきたのを見て、「これこそ本当に技術が勝負であり、テクノロジーによってさまざまなことを成し遂げられる」と感じ、ジーニー設立に至った。
「会社設立当初、RTBなどがアメリカでとても伸びており、その流れは確実に日本にも来ると思いました。そして、この分野は既存の広告・メディア事業と異なり、まだ圧倒的な大手企業がいる領域ではありませんでした。だから、新しい企業であっても、技術力さえあれば、一気にビジネスを拡大できると感じたのです。さらに、RTBによって可能となることを考えると、これは絶対に業界を大きく変えると思ったのです」。
また、新しい分野だけに日本発のプラットフォームが出来上がっていなかったことも、大きな魅力だったという。当時、ほかの多くの企業は、SSP、DSPに関する海外のプラットフォームを日本に持ってくる形で事業を展開していた。しかし …
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