マーケティング投資の中でも広告投資の金額の比重は大きい。テクノロジーの進化によってデータ取得の範囲は広がり、広告効果測定の精度は高まっている。しかし、そこで取得できたデータはどのように活用すればいいのか。データドリブンマーケティングのキーになる、広告効果測定の最前線とは。
昨今、企業が得られるデジタルデータが爆発的に増えたことでアプローチ可能な「見込み顧客」の領域も拡大しています。
以前であれば、潜在層には主にマスマーケティングで、顧客層には会員データを使いメールやDMでのアプローチと、2つの領域は分断されていました。今日では、個人やブラウザの行動データ解析やアドテクノロジーの進化によって、顕在層や準顕在層と言われる領域に対しても、DSP/DMPやターゲティング広告のようなアプローチ施策が打てるようになっています。潜在層から顧客までの距離が近づいてきたと言えるでしょう。一方で、企業がターゲティングしてアプローチできる「見込み顧客」の裾野が拡大したことで、活動の「ゴール」設定が難しくなっているという課題があります。
もちろん最終的には「商品購入」や「売上」がゴールですが、さまざまな要因で広告を見たタイミングと購入タイミングは異なる可能性があります。ですので、購買ファネルに基づいて、広告施策の中間ゴールをつくり、中間ゴールと「売上」の関係性を把握することを統計解析などの技術とデータを駆使して求めたりします。ただ、中間ゴールと一口に言っても、「リーチ」「広告認知」「検索行動」「クリック」など多岐に渡ります。ROIの本当のR(Return)を意識しつつ、広告施策上での管理指標(KPI)を見直す必要が生まれているのです。
動画広告の活用も増えていますが …