7年にわたる係争
テレビやラジオ番組の楽曲使用をめぐり、日本音楽著作権協会(JASRAC)の使用料徴収方法が独占禁止法に違反するか争われてきた訴訟で、4月28日に最高裁の判断が出た。
「独占禁止法に違反しない」とした公正取引委員会(公取委)の審決を取り消すもので、公取委は審理をやり直すことになる。一方、JASRACは放送事業者と管理楽曲の使用比率を反映した新たな徴収方式について検討していると発表した。
JASRACと放送局との契約は、放送局が売上高(放送事業収入)の一定割合を支払うことで、JASRAC管理楽曲の使用をまとめて許諾する「包括徴収」方式。JASRACの管理楽曲が多いことと、放送局にとっては楽曲を使用するごとに権利処理をしなくても済む簡便さから、結果的に音楽使用の著作権管理事業をほぼ独占する形になってきた。
音楽著作権管理事業をめぐっては、2001年に著作権等管理事業法が施行され、それまでJASRACのみだった市場に、新たな事業者の参入が可能となった。2006年に新事業者「イーライセンス」が、当時のエイベックスグループの一部のアーティストの楽曲を管理する事業者として参入。しかし、同社の楽曲を放送局が使用する場合、新たに料金を支払う必要があることもあり、使用されることがほとんどなかった。
2008年4月、公取委が包括徴収方式は市場の競争を阻害している可能性があるとして、JASRACに立入検査を実施。2009年2月に独禁法に違反すると判断し、改善を求める排除措置命令を出した。これに対し、JASRACは …
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