インタラクティブでエンタメ性ある「ゲーム」が広告の可能性を拓いていく
絵画からキャリアを始め、3DCGや現代アートで社会課題に挑むアーティスト、藤嶋咲子さん。「バーチャルデモ」ではSNSの力を可視化し、「WRONG HERO」ではジェンダーバイアスへの問いをゲーム形式で表現するなど、新しいアートの形で人々の抑圧された声を浮かび上がらせている。広告やメディアが抱える課題に対しても、独自の視点を投げかける。
私の広告観
お笑いコンビ「ジャルジャル」のベースはコントにある。観客と相方、双方の出方を見ながら、真剣勝負で挑む姿勢が印象的だ。次なるチャレンジを見据える2人に、コミュニケーションについての考え方を聞いた。
福徳秀介さん(左)と後藤淳平さん
お笑い芸人 ジャルジャル 後藤淳平(ごとう・じゅんぺい)(左)
1984年3月生まれ。大阪府吹田市出身。趣味は音楽鑑賞と卓球。
同 福徳秀介(ふくとく・しゅうすけ)(右)
1983年10月生まれ。兵庫県芦屋市出身。趣味はスポーツ、山登り、ラグビー、走ること。
2人は2002年吉本芸能総合学院(NSC)大阪校25期生。関西大学在学中の2003年にジャルジャルを結成(よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属)。主な受賞に、「NHK新人演芸大賞」(2007年)演芸部門大賞、「ABCお笑い新人グランプリ」(2008年)優秀新人賞、「笑いの超新星」(2008年)最優秀新人賞、「オールザッツ漫才」(2008年)優勝、「上方漫才大賞」(2009年)優秀新人賞、「第34回ABCお笑いグランプリ」(2013年)優勝など。
「呪文を忘れた芸人」「ブサイクな整理番号100番」――。奇妙なテーマが次々と与えられ、即興でお笑いのコントが始まる。こんな一風変わったライブイベントが4月、東京・渋谷の小劇場で開かれた。演じるのはお笑いコンビ「ジャルジャル」の後藤淳平さんと福徳秀介さん。放送作家やシンガーソングライターなどの肩書きを持つ倉本美津留さんが、司会やBGMを担当し、3人で進行する。
仕組みはこうだ。開演前に観客に紙を配り、好きな「形容詞」と「名詞」を記入してもらう。それぞれ回収し、ランダムに合わせることでお題が決まる。例えば「みずみずしい(形容詞)」と「宇宙人(名詞)」を合わせると「みずみずしい宇宙人」。決まったら30秒も経たないうちにコントが始まる。当然、2人が打ち合わせする時間はない。
2人はそれぞれ相手の出方を伺いながら、コントの着地点である「落ち」を探っていく。演じる側も見る側も先が読めない体当たりのコミュニケーション。会場には緊張の糸が張り詰める。観客はもとより、当人らも思いもしなかった方向にストーリーが展開していくこともしばしば。落ちがうまくはまれば、「そう来たか」と観客をうならせ、割れんばかりの大拍手。落ちがピタリとはまらず不完全燃焼のまま終わることもあるが、言葉をつないでストーリーをつくろうと必死な2人に引きつけられ、会場はいつしか一体感に包まれている。
「ここまでお客さんとコミュニケーションを取れるライブはないですね」と福徳さん。後藤さんも、「お客さんも普段より一歩前で応援しながら見てくれている。お客さんと一緒につくっていっている感があります」と話す。
「あっぷくライブ」と呼ばれるこのイベントは、昨年から始めて今回で4回目。倉本さんを含む3人で「ニコニコ生放送」で発信していた番組「開放!ジャルジャル×倉本美津留のコント会議」の中で、即興コントを始めたのがきっかけだ。お客さんから提供された台本を演じるなど様々なタイプのコントを繰り返す中で、徐々にハードルを上げていった。「やってみたら結構うまくいった」ことから、現在のような形に落ち着いたという。
決まったネタを演じる通常のコントと、あっぷくライブのような即興コントは「まったく違う。別ものです」と口を揃える …