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宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本―コンセプト開発

長く売れ続けるブランドをつくるためのコンセプト開発術

山本康博(ビジネス・バリュー・クリエイションズ)

現状に対する不満からコンセプトを導き出す

メーカーの商品開発やマーケティング担当者、ブランドマネージャーなどの立場で、新しい商品やサービスをつくる人、つまりゼロから1を生み出すような人を対象に、ブランド管理のプロセスからコンセプトのつくり方についてご紹介していきます。

まずブランドの担当者というのは、原則として発売から終売までを通して商品を育て、ブランドの消滅まで面倒を見る立場の人です。図1のマーケティングサークルを見てください。事業会社のマーケティング担当者がカバーすべきはこちらにある通り、ネーミングやパッケージ、価格などから広告、PR、SPなどに至るまで全般に気を配る必要があります。

現代の企業活動において、お客さまの多様なニーズや潜在的な不満を把握し、「お客様が気づいていない“それ欲しかった”と思われる商品・サービス」を企画開発することがメーカーの役割だと強く感じています。お客さまの気がついている商品やサービスを出したところで、しょせん価格競争などに巻き込まれることがあるからです。気がついていない商品サービスこそを提供することがメーカーマーケターの使命だと意識する必要があります。

具体的に、メーカーのマーケターがゼロから商品・サービスをつくって育てる過程を以下に記します。ブランドの衰退から終売まで、大よそこのような流れと考えていいでしょう。

〇自社の持つ課題分析(顧客、流通、社内など、各関係者の不満・文句を集める)

〇誰もが解決したいと思っている、顕在化している大きな不満・文句を選定する

〇もしかしたら大きな不満・文句かもしれない、潜在的な小さな文句を多数抽出する

〇いくつかを組み合わせて化学変化させ、コンセプト化する

〇ブランド憲法(ポジショニングステートメント)を作成する

〇グループインタビューを実施(自分の眼と耳で確認)

〇消費者調査(定性と定量)

〇いけそうなら具体的な実行計画プラン作成

〇社内役員決裁(予算請求)

〇ブランド憲法とコンセプトのブラッシュアップ

〇ネーミング作成

〇パッケージ作成

〇総合消費者調査(社内外用資料)

〇コミュニケーション計画の策定(オリエンが非常に重要)

〇CM、キャンペーン、SPなどの …

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