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REPORT

テクノロジーの進化が実現させる“マーケティング新時代”

マルケト

2015年2月17日、東京・恵比寿のウェスティンホテル東京にて、世界的マーケティングオートメーションのリーディングベンダーである、マルケトが「Marketo Summit Japan 2015」を開催。フォーラムを通じ、マルケトが考える「エンゲージメント・マーケティング」の概念が発信された。

企業のマーケターを中心に来場者は1000名を超えた。

マーケターを中心に1000名以上が来場

2015年2月17日、マルケトによる国内で初めての自社開催となる「Marketo Summit Japan 2015」が開催された。当日は1000名を超える企業のマーケティング担当者や広告業界関係者がセッションに参加するなど、注目度の高さがうかがえた。今回のイベント主催者であるマルケトは2007年4月に米国で創業し、日本では2014年6月から事業を開始している。

当日は米国のMarketo本社より来日したフィル・フェルナンデスCEO、サンジェイ・ドラキアCMO、マルケト日本の福田康隆代表取締役社長の基調講演の他、ノースウェスタン大学・IMC名誉教授のドン・シュルツ氏の「時代が求めるOne to Oneマーケティングのあり方」をテーマとした特別講演も開催された。その他、クラウド会計ソフトでシェア1位のFreee、近年デジタルマーケティングに力を入れるビズリーチなどマルケトのユーザー企業による先進事例、マルケトのパートナーソリューション企業による講演など、多彩なプログラムが展開された。

今回のイベントの根底にあるテーマは「エンゲージメント・マーケティング」だ。フィル・フェルナンデスCEOは「お客さまにメッセージを伝えるには、一人ひとりのお客さまを個人として認識し、お客さまがどこにいても、その嗜好や行動に合わせた適切なコンテンツを提供し、長期にわたり途切れることなく関係をつくっていかなければならない。それが、これからのマーケターの目指すべき方向であり、エンゲージメント・マーケティングの本質」と話した。

またデジタルテクノロジーがマーケティングの現場に浸透する以前に発表され、環境が変わった今も世界のマーケターに支持されるIMC(インテグレーテッド・マーケティング・コミュニケーション)の提唱者であるドン・シュルツ教授は「過去のビジネスモデルは企業起点、サプライチェーン型であったが、これは企業が商品をつくれば誰かが望むはずだという前提に立った考え方。現在は、そもそもお客さまが何を望んでいるのかがわからない状況にあり、そこで必要なのはワン・トゥ・ワンマーケティングだ。一人ひとりのお客さまのニーズを基点にマーケティングの枠組み自体を見直す必要がでてきている」と話した。さらに、これまではワン・トゥ・ワンマーケティングの取り組みは効率が悪く、スケールしない点に課題があったが、この思想を実現しうるレベルに、テクノロジーが進化をしていると指摘した。

フィル・フェルナンデスCEOも「かつてはコンセプトでしかなかったIMCが、テクノロジーの進化によって、誰にでも実現できるようになった」と話した。

大学生が特別枠で参加 未来のマーケターを育てる

今回のイベントには、企業のマーケターだけでなく、東京都内の大学でマーケティングを学ぶ約20名の大学生が招待された。マルケトの福田社長が「日本市場にしっかりとコミットし、長期的な視点でマーケティングの進化・発展に貢献していきたい」との考えを持ち、具体的に「将来のデジタルマーケターの育成」「NPOや地域社会への貢献」「コミュニティの活性化認定コンサルタントユーザー会の運営」の3点に企業として取り組んでいく方針を掲げているためだ。

真にテクノロジーの力を活用し、日本企業がマーケティング活動で成果を上げていくためには、マーケターの育成も重要との考えから、長期的な視点に立ち、今後企業のマーケティングを担う学生に対しても、自社として提供できる学びの場を提供したいとの考えのもと、学生の招待が企画された。

現在、マルケトのユーザーはグローバルでは約3800社、日本国内だけでも事業を開始して1年経たずして、40社に導入されている。世界のソフトウェア市場の中でもマーケティング関連ソリューション市場は、2014年の202億ドルから、2018年には324億ドル規模にまで成長が予測(IDC調べ)されており、1000 名を超える来場者を集めた今回のイベントからは、新時代のマーケティングを実現するテクノロジーに対する強い期待が感じられた。

このセミナーのために来日したフィル・フェルナンデスCEO。



福田社長は「現在、日本でも浸透しているクラウドは、90年代の終わりに米国で打ち出されたが、当時のインターネット環境では実用的なレベルには到達していなかった。もし、ブロードバンド化が実現していなければ、これほど広く浸透していないはず。テクノロジーが進化することで、構想やビジョンとして掲げられていた理想が現実化し、多くの企業がそのメリットを享受できるフェーズを迎えるというサイクルは、これまでも様々なテクノロジーで繰り返されてきたことだ。マーケティングオートメーションも技術的な環境が整い、本当のワン・トゥ・ワンマーケティングが誰にでも実現できる時代を迎えた」とマーケティングオートメーションが注目される背景について説明した。



午後2時から開催のイベントに先立ち、マルケトと宣伝会議は共同で日本企業のCMOを招いてパネルディスカッションを開催。パネラーとしてフィル・フェルナンデスCEO、ドン・シュルツ教授、福田社長が登壇した。シュルツ教授はディスカッションの最後に「フィル・フェルナンデスCEOとの様々なディスカッションを通じて、改めて確信したことがある。それは私が25年前にIMCで提唱したお客さまと企業組織をつなぐマーケティングがマーケティングオートメーションによって実現できる時代を迎えていることだ」と話した。



ドン・シュルツ教授が提唱したIMCは、現代でもマーケターが目指す普遍的な概念。教授のワン・トゥ・ワンマーケティングをテーマにした講演には多くの来場者が聞き入った。



サンジェイ・ドラキアCMOは「マルケトは企業に対してソリューションを提供するだけにとどまらず、20業種にまたがる3500社以上のパートナー企業とともにエコシステムを構築。ユーザー企業のエンゲージメント・マーケティング実現の支援を行っている」と、他のマーケティングオートメーションベンダーにはない、マルケトならではの強みを語った。

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