2014年11月6日、セールスフォース・ドットコムと宣伝会議は「JAPAN CMO CLUB」を設立した(CMO:Chief Marketing Officer)。日本のマーケターを支援し、その活動や成果、社会的役割を国内外に発信することを目的とした組織で、会員社同士が交流する「研究会」の場を年6回程度開催していく予定。本コーナーでは研究会の様子をレポートする。
お客様視点を実現するための組織
「JAPAN CMO CLUB」の4回目となる研究会が2月5日に開催された。今回はアフラック、エクスペディア、オリンパス、ユニリーバ・ジャパン・カスタマー・マーケティングの4社よりトップマーケターが参加。ディスカッションは今回も「JAPAN CMO CLUB」のCMO(Chief Marketing Organizer)である、加藤希尊(かとう・みこと)氏のモデレートにより進められた。
会の冒頭で加藤氏より、それまでの3回の研究会で見えてきた現在の企業のマーケティング課題、またそれに向き合うためのマーケターの活動の在り方について、解説があった(上図参照)。氏は「多くの企業が向き合うのが『商品のコモディティ化』への対応だが、その対応の中で『お客さま視点』がますます重要になっている。お客さま視点に立ってデータを分析することで、価値ある新しいカスタマージャーニが見つかる。そして最後に、ジャーニーを実現するために、あるべき組織や理想のリーダー像にたどり着く。このようなプロセスで各企業がアプローチしていることがわかってきた」と語る。さらに「多様なブランドのマーケターが、担当ブランドのカスタマージャーニーを持ち寄り、ディスカッションする中で、お客さまの視点に立ち、お客さまにとって満足の高まるジャーニーを実現することの重要性が見えてきた。必ずしも、企業のマーケティング組織において、例えばCMOといった役職を設けなければならないわけではない。大切なのはお客さま視点を貫き、このジャーニーを実現することで、そのために必要なマーケティング機能の在り方を、トップブランドのマーケターは今、まさに模索している」と話した。
研究会ではアフラックの澤村氏から、同社がチームで仮説構築した新たな態度変容のモデル「ORACAS」(「Occasi on(きっかけ)」「Research(調べる)」「Advocate(推奨)」「Convince(説得)」「Action(購入)」「Share(共有)」の頭文字)の概念が、ユニリーバの東浜氏からは、同社が店頭のツールやパッケージデザインの際に盛り込む3つの要素、「ストップ」(商品の前に止まってもらう)、「ステイ」(比較検討をしてもらう)、「セル」(最後に購入の背中を押す)の概念が提示され、互いのブランドのカスタマージャーニーを共有することで、各社の知見をより深く共有できた研究会となった。

写真左から、エクスペディア(AAE Japan)マーケティング ディレクターの木村奈津子氏、加藤希尊(かとう・みこと)氏(セールスフォース・ドットコム マーケティングディレクター)、オリンパス コーポレートセンター ブランド宣伝部 部長の増田孝氏、ユニリーバ・ジャパン・カスタマー・マーケティング スキンカテゴリ マーケティングダイレクターの東浜文哉 氏、アフラック(アメリカンファミリー生命保険)執行役員 広告宣伝部長の澤村環氏。

「JAPAN CMO CLUB」の活動報告は、随時、宣伝会議運営のWeb メディア「アドタイ」にてレポート中です。
http://www.advertimes.com/special/cmoclub/