食品表示に関する新しい法律、食品表示法が2015年4月1日に施行となる。食品表示法とは、義務表示にかかわる現行の法律(JAS法、食品衛生法、健康増進法)が1つになった法律で、これまで、農林水産省、厚生労働省と縦割り行政のもとでつくられてきた法律が、消費者庁のもとで一つになったものだ。消費者庁がつくった法律であるため、「消費者の権利の尊重」「消費者の自立の支援」が書き込まれているのが特徴となっている。
新法施行によって、食品表示がより消費者の安全や健康にフォーカスして見直される。具体的には、加工食品の栄養表示が原則として義務化され、安全に関する表示としてアレルギー表示が患者の立場に立ってより詳しくなり、2013年末に起きた冷凍食品の農薬混入事件を受けて製造所固有記号の制度が改正されるなど、消費者視点で細々とした変更が加えられている。また、分かりやすさを目指して、原材料欄の中に原材料と食品添加物を明確に区分することも定められ、どこからが食品添加物なのかが、一目で分かるようになる。主な変更内容を、表1にまとめた。
多くの事業者は、食品パッケージの改版が必要となるため、移行措置期間として5年間が設置されているが、それだけ大きな変更を伴うということである。表示内容に間違いがあれば、自主回収となるケースもある。事業者は新法を十分に理解して、正確な表示をすることが求められる。また、消費者も新しい食品表示を活用して、商品選択に役立ててほしい。
健康食品と情報開示
この食品表示法の施行にあたり注目されているのが、新たに導入される「機能性表示食品」制度だ。この制度によって、健康食品の市場が大きく変わることも予想される …