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マーケティング課題の解決につながる! オンライン動画の活用戦略

クリエイターから見たオンライン動画の可能性

ワン・トゥー・テン 木田広大/映像作家 菅俊一

テレビとオンライン、流す場所が変わると、同じ動画でも、クリエイターに求められる意識は変わるのか。動画のこれからの活用可能性を踏まえ、クリエイターの視点から語ってもらう。

ブランディングとしての価値にも目を向ける

現代では企業と生活者との関係性が希薄になっていて、リレーションを高める一つの手段として、生活者と直接の接点を持てるデジタルチャネルを活用した取り組みをどの企業も行っています。これまでは、ソーシャルメディアをどう活用するか、オウンドメディアをどう改善しようかという点に目がいきがちでしたが、そこに新しい手段として入ってきたのがオンライン動画だと考えています。

動画制作を依頼される際、クライアントのニーズは多岐に渡ります。認知や好意度の向上、理解や購買の促進といった目的がはっきりしたケースや、「PRやSNSをからめてとにかく動画をやってみたい」といったケース、「バズを起こしたい」というニーズももちろんあります。しかし最近では、動画自体は認知されたけれど、消費者からの好感度が低い、マーケティング課題の解決に貢献していない…。そんな悩みをよく耳にするようになりました。

単純にリーチが欲しければテレビCMが最も効率的です。しかし、すでに多くの人に認知されているブランドであればその次のステップへいかなくてはなりません。100万人に届けることより、そのブランドを愛してくれている人にだけしっかり届けられるような、ブランディングとしての動画活用の価値にもっと目を向けて欲しいと思っています。これは、ターゲティングを精緻にできるオンライン動画ならではの活用法だと言えます。

一方、現在主流となっているテレビCMは、有名タレントを複数起用し、長尺あるいはシリーズ物として展開するスタイル。そうしないとテレビCMでは勝てないような状況とも見受けられるのですが、それでは予算がある企業が勝利する方程式になってしまいます。では、予算がない企業はどうすればいいのか。解決策の一つとして、バズを起こす表現手法をテレビCMの世界へと持ち込み、話題を拡散する方法があると思います。その一例が、当社で昨年制作した、日テレの「フリフリTV」のCMです。志茂田景樹さんを起用し「これ本当に民放で流したの?」と驚かれるくらい刺激的な表現で話題を呼びました。

オンライン動画の中には、アーカイブや相乗効果を狙ったものとしてテレビCMをオンラインで流すという連動以外に、もっと戦略的な組み合わせ方があるはずです。また、もっとグローバルに対し打っていけるのも、オンライン動画の可能性の一つ。しかし日本では国内市場を狙ったものがほとんどです。これには、日本にブランドを育める環境が整っていないことが理由にあると思います。表現領域でまだまだ冒険不足という問題もあると思いますが、日本の広告予算の持ち方が短期スパンというところにも課題があると思います。結果、1回のキャンペーンで目立つもの、一時的にバズを起こせるものを作ることに意識がいき、使い捨ての広告ばかりになってしまうのです。

海外ではブランドを資産として捉えているため …

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