抹茶や高級茶葉、3~4万円クラスの急須の売れ行きが好調な日本茶の老舗・宇治園。売り場でのコミュニケーションによってつかんだお客様の要望やニーズを商品やサービスに反映させ、販売以外のサポートも担うことで、新たなファンづくりを図っている。
現在の売れ筋は、ロングセラーの「小佳女(おかめ)」や「火男(ひょっとこ)」(写真上)など、100グラム1000円前後の茶葉だという。
中国人スタッフが接客
宇治園は明治2年に創業した日本茶の老舗。卸部門のほかに、直営店7店舗、百貨店内に3店舗を持ち、カフェや喫茶店なども展開している。本店を構える大阪の心斎橋筋商店街を中心に、中国人スタッフを常駐できる体制を整え、インバウンドビジネスに注力している。
以前は「大挙して訪れ、試飲だけして何も買わないで帰ってしまう」など、招かれざる客の印象が否めなかったが、言語のみならず、食べ物や消費の傾向、一年のいつ祝祭日があって休暇をとるのかといった中国の文化・風習を肌で知るスタッフが接客につくことで、中国人旅行者の行動が変わったという。「当店に足を運ばれる方は、日本文化や健康食品としてのお茶に興味があり、品質の良いものをお土産に買いたいというニーズをお持ちだったのですが、こちらから …
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