インバウンドビジネスの活況に対し、小売・流通での取り組みは先行しているが、メーカーにはどういった戦略的な対応の可能性があるのか。直営店舗と地域限定のお土産商品を軸に、拡大する「訪日観光客市場」と向き合うカルビーの戦略を聞いた。
最も多くのアジア地域の観光客が訪れるという沖縄国際通り店。店内では、揚げたてのポテトチップスなどを提供している。沖縄限定の「美らぽて黒糖味」は観光客から最も人気がある商品の一つ。
日本の人口は世界人口の2%に過ぎない
スナック市場を牽引するカルビーは、国内の需要が伸び悩む中、新たなマーケットを見据えている。「日本の人口は世界の人口の2%に過ぎません。国内の市場を成長させるには、今後、訪日観光客市場を開拓していきたいと考えています」と同社 コーポレートコミュニケーション本部 広報部広報課の朱靖氏は話す。いまや新たなマーケットとして企業の熱視線を集める訪日観光客に対し、「Calbee」ブランドの浸透を狙う同社が注力するのは、直営店舗と地域限定のお土産商品の展開だ。
直営店舗の出店は、インバウンドビジネスが盛り上がる以前から継続的に行ってきた。お客様との直接的なコミュニケーションを通じたグローバルなファンづくりを目的とする直営店舗「Calbee+(カルビープラス)」の出店は、2011年からスタートし …
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