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広告を「読む」。

広告を読めば、「コミュニケーション能力」が見えてくる。

山本高史

広告を読めば、なんかいろいろ見えてくる。例えば「コミュニケーション能力」のこと。

NTT(1985年)コピーライター 井出壬一

1985年にスーパーマリオブラザーズが売り出され、おニャン子クラブがデビューした。ゴルバチョフがソ連共産党書記長に就任し、田中角栄が病に倒れた。男女雇用機会均等法が成立し、いじめが社会問題化し、「いじめ自殺元年」と呼ばれた。いじめが社会問題化し、「いじめ自殺元年」と呼ばれた。日本専売公社はJT(日本たばこ産業)になり、日本電信電話公社はNTT(日本電信電話)になった。会社に入ったばかりのぼくらは、新人類と呼ばれていた。(今思えば、の結果論に過ぎないが)、よくも悪くも「今」的な社会が始まった年という気がしてならない。

カエルコール」は、そんな1985年にNTTが展開したキャンペーンである。「帰る前に家族や大切な人に、一本電話を入れましょう」というものだ。もうすぐ帰る(カエル)電話(コール)ってことである。博報堂(当時)の井出壬一さんのコピーは流行語となって、SNSの存在なしに「バズった」ことを鮮やかに覚えている。ケータイならぬ携帯電話はあるにはあったが、同年にNTTが発売した「ショルダーホン」は文字通り肩にかけて持ち運ぶもので、重量は3kg。「カエルコール」の広告で描かれていた「電話」は、街角の公衆電話である。テレビコマーシャルやポスターで、受話器を握ったオジサンが、おそらく家族に「もうすぐ帰る」と微笑んでいた。

飲み屋の昔話にケータイのなかった時代がネタになる。例えば1985年の「待ち合わせ」を思い出す …

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