インタラクティブでエンタメ性ある「ゲーム」が広告の可能性を拓いていく
絵画からキャリアを始め、3DCGや現代アートで社会課題に挑むアーティスト、藤嶋咲子さん。「バーチャルデモ」ではSNSの力を可視化し、「WRONG HERO」ではジェンダーバイアスへの問いをゲーム形式で表現するなど、新しいアートの形で人々の抑圧された声を浮かび上がらせている。広告やメディアが抱える課題に対しても、独自の視点を投げかける。
私の広告観
これまで30年間に手掛けた装丁の数は1万冊を超える。今も、常に月40~50冊のペースで走り続ける、超人気装丁家である。しかし、それだけの数をこなしながら、鈴木成一さんの装丁は毎回必ず新しい。個性的で、力強い鈴木さんの装丁デザインの発想を聞いた。
鈴木成一(すずき・せいいち)
グラフィックデザイナー。1962年北海道生まれ。筑波大学在学中から装丁の仕事を始め、1992年に鈴木成一デザイン室を設立。エディトリアルデザインを主として現在に至る。1994年、講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。
装丁と広告の仕事はある種似ている。広告が、商品を世の中に伝えていくための橋渡し役を担うように、装丁は原稿を魅力的なパッケージで包み、読み手にその存在を訴えかけていく。
装丁家の鈴木成一さんは、「その本をどう演出するかをいつも考えている」と話す。装丁は常に原稿を読んでから考えているが、最初はとにかく「一読者として、あたかも本を買って読んだようなスタンスで」原稿に臨むという。装丁の手掛かりになるような場面や具体的な物が出てくればチェックはするが、何もないときは最終的に自分の中に残る全体的な印象や、その本の個性をどう客観的に表現するかを考えることになる。
鈴木さんはこれまでに2冊の本を出している。いずれも …