顧客第一主義への転換が大きなターニングポイント 進化し続けた50年
1974年、日本初のコラーゲンを配合した基礎化粧品として誕生し、2024年に50周年を迎えた「ドモホルンリンクル」。漢方の製薬会社であった再春館製薬所が、「人間も自然の一部」という漢方の考え方と、同社の科学技術を掛け合わせ、化粧品開発に挑戦したことからブランドの歴史が始まった。
ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略
2014年9月に発売から30周年を迎えたカラムーチョ。1984年の発売当時にはなかった「辛いお菓子」の市場を開拓、激辛ブームの火付け役に。2014年からは、「日本全国カラムーチョ化計画」を進めている。
左1984 右2014
今や辛いスナック菓子は数多あるが、その原点と言えるのが1984年に発売された湖池屋の「カラムーチョ」だ。
カラムーチョは、当時の開発担当者がアメリカで出合った唐辛子の効いたメキシコ料理をヒントに開発された。日本人の口に合うように旨味を加えた「辛くておいしい」がキャッチコピーとなっている。商品名の「カラムーチョ」は、日本語の「カラ=辛い」とスペイン語の「ムーチョ=たくさん」の造語で、「辛いポテトチップスをたくさん食べてほしい」という思いが込められている。
カラムーチョが発売された当時、スナック菓子は主に子どもや女性のおやつとして食べられていた。「辛いお菓子」の市場はまだなかったことから、新たなジャンルであるカラムーチョに対する流通の反応は厳しかった。当時のポテトチップスのおよそ2倍にあたる200円という価格設定も障壁となり、置いてくれる店がなかなか見つからなかったという。しかし、味に自信があった同社はあきらめなかった。
転機となったのは大手コンビニエンスストアが、「面白い商品」だと置いてくれたことだった。カラムーチョが店頭に並ぶと、コンビニを利用する若い男性を中心に「罰ゲームのように辛い!」と面白がられ、評判は口コミで広がっていった。「ポテトが辛くてなぜおいしい!」というキャッチコピーと、ヒーおばあちゃんのキャラクターが辛さに「ヒー!」と叫ぶテレビCMも、激辛テイストと同様に市場にインパクトを与え話題となった。激辛ブームは社会現象となり、カラムーチョは爆発的なヒットとなる。
しかし、1990年代に入ると激辛ブームが沈静化し、カラムーチョの売上も減少。しかし、同社は …