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マイケル・ペインのTOKYO 2020 ストーリー

オリンピック・パラリンピックにビジネス戦略を適応させる方法

マイケル・ペイン

オリンピックやグローバルマーケティングに関して、世界一の権威であるマイケル・ペイン氏が、2020年東京オリンピック・パラリンピックに対する考えを語る特別連載。今回は、オリンピック・パラリンピックのビジネスチャンスとスポンサーシップについて検証します。スポンサーシップを検討する際にとるべき重要なステップとは何か。スポンサーシップを決めた場合の成功法は?

あらゆる企業が得る五輪投資からの利益とは?

東京が2020年オリンピック・パラリンピックの開催都市としての権利を獲得して数週間、企業はどのようなビジネス好機が存在するのかを慌てて勉強し始めました。スポンサーとは何を意味するのか。どんな権利と好機があるのか。どんな恩恵を受けることができるのか。投資利益率はどうか。誰に話せばいいのか。いつ交渉は始まるのか。そして、オリンピックマーケティング全体がどのように機能するのか。

東京オリンピック・パラリンピック開催決定の熱気の中、企業は様々な疑問を解消するために、日本オリンピック委員会や地方自治体へ問い合わせました。しかしながら、情報が用意されていたわけではなかったため、「TOKYO 2020(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)がマーケティングプログラムを開始するまで待ってください」との丁寧な返答を受け取るに留まりました。実際、日本にはオリンピック・パラリンピックのマーケティングに詳しい人は、ほんのわずかです。TOKYO 2020がマーケティングプログラムを開始するには、まず、オリンピックマーケティングプロセス全体を管理するIOCと、非常に厳しいフランチャイズ契約において、最終的に合意に達しなくてはなりません。

ここ1年ほど、IOCとTOKYO 2020、その指定マーケティング代理店である電通は、2020年東京オリンピック・パラリンピックのためのマーケティングプログラムや開発について集中的に交渉を重ねてきました。こうした話し合いや交渉は、いつも予想以上に長くかかるものですが、ようやく終わりに近づいているようです。TOKYO 2020のマーケティングプログラムは、間もなく発表されるでしょう。

オリンピックマーケティングのスタートの号砲が鳴るのを待っている間、企業は、入札プロセスの準備や入札自体を判断するために、何をしておくべきなのでしょう。

日本のあらゆる企業が考慮すべき6つのポイントがあります。あらゆる企業と表現している理由は、東京オリンピック・パラリンピックはすべての産業、すべての地域社会に影響を与えることになるからです。最終的には、すべての人がオリンピックマーケティングがそれぞれにとって何を意味するのか理解しておく必要があるのです。結果的には、ある企業にとってはそれほど魅力的なビジネスチャンスではないかもしれません。しかし、どの企業も、よく知らないままに判断するではなく、事実に基づいて、競争相手が競り落とす前に、オリンピックにおけるビジネスチャンスの潜在的可能性とその理由を判断し、入札で競り勝つための綿密な計画を立てるべきです。

1.ビジネスチャンスを理解する

オリンピックマーケティングを単にスポンサーシップの好機とみなすのは、間違っています。それ以上に ...

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