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REPORT

デジタルマーケティングは経営課題に

IMJ

アイ・エム・ジェイ(IMJ)が主催するデジタルマーケティングカンファレンス「I・CON(アイコン)2014」が10月16日、東京・六本木ヒルズで開催された。デジタルマーケティングに必要な経営視点や、データドリブンマーケティングの最新事例などをテーマに講演やパネルディスカッションが行われた。

LIXILの野口恭平氏(左から2人目)、西友の富永朋信氏(左から3人目)とIMJの櫻井徹・代表取締役社長兼CEOが登壇したパネルディスカッション。

経営トップに求められるぶれない判断と実行力

冒頭にIMJの櫻井徹・代表取締役社長兼CEOが登壇し、企業のデジタルマーケティングのあり方について提言した。ほとんどの企業はデジタル施策の重要性を認識しているにもかかわらず、「かける予算はまだ十分ではない」と指摘。「ユーザー視点に立って、すべてのサービスデザインやコミュニケーションデザインを、デジタル中心に再構築していくべき時だ」と呼びかけた。

CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)グループが10月20日に立ち上げたT会員5000万人のプラットフォーム「T-SITE」のプロジェクト事例をもとに、発注側と受注側のパートナーシップについても言及した。発注者はCCCグループのネットメディア事業を統括するT-MEDIAホールディングス(TMH)で、受注したのはIMJ。櫻井氏は両社の社長を兼務している。TSUTAYA ONLINEやTSUTAYA DISCASなどの関連サービスを統合するとともに、IDやデータベースを共通化するという大規模なサービス設計の再構築を指揮した経験から、「統合プロジェクトは現場に任せるだけでは絶対にうまくいかない。トップのぶれない判断と実行力が常に必要」と強調した。

TMHとIMJの混成チームを結成し、組織の枠を越えて、皆で同じ方向を目指したことが成功のカギとなった。「組織横断プロジェクトには、外部からの強力なパートナーシップが重要」とし、リサーチから部門間の調整、コンテンツの企画、開発に至るまでをサポートできることがIMJの強みと述べた。

冒頭に登壇したIMJの櫻井社長。

デジタルをフル活用するためのパートナーシップ活用法

続いて行われたパネルディスカッションでは、LIXILの野口恭平氏、西友の富永朋信氏とIMJの櫻井氏が登壇。「デジタルをフル活用したマーケティングの推進」「組織・予算・パートナー選びでの課題」について話し合った。

野口氏は「例えば、マス広告ではGRP(延べ視聴率)のような指標により、投資対効果が経験知として把握できているのに対し、デジタル領域ではポテンシャル含めてそこが読みにくく、予算を配分しづらい」「KPIとしてのROMI(リターン・オン・マーケティング・インベストメント)がより明確化できれば投資は行いやすく、その測定自体にもデジタルが強みを発揮するはず」と述べた。

富永氏からは、「デジタルかアナログかで物事を考えること自体が事業者目線だ」「予算配分は過去の実績にとらわれてしまいがち。そのバイアスを抑え、新しい手法に率先して取り組める環境を作ることが経営陣には求められている」と指摘した。

デジタルマーケティングを推進する際のパートナー選びについては、両氏が組織間の連携の大切さと難しさに触れたうえで、「我々と問題意識を共通言語で共有ができるか、同様のケースでの実績などで判断する」(野口氏)、「実行にはスピードを求めたいので、パートナーは一度決めたらなるべく変えないのが鉄則」(富永氏)と話した。

櫻井氏は「組織の問題で物事を決めにくい場合は、我々のような外部パートナーをしっかり中に絡ませて、うまく活用してほしい」「日本企業は社内データを外部に提示したがらないのがもったいない。秘密保持契約をして開示してもらえれば、もっと真意をくんだ提案ができる」と述べた。

すかいらーくの神谷勇樹氏、クレディセゾンの磯部泰之氏、IMJの加藤圭介氏によるパネルディスカッション。

データドリブンマーケティング最前線を走る企業事例

「顧客ロイヤリティ施策とデータドリブンマーケティング」と題したパネルディスカッションでは、すかいらーくの神谷勇樹氏、クレディセゾンの磯部泰之氏、IMJの加藤圭介氏が登壇。顧客ロイヤリティ向上のためのデータドリブンマーケティングの取り組みについてそれぞれ意見を述べた。

神谷氏はBCG、グリーを経て2013年からすかいらーくに参画。一貫してデータ分析を起点に業績拡大に貢献している。「年間延べ4億人の来店者があり、データは膨大にある。分析インフラの構築と分析チームの立上げ・育成と、マーケティング施策の開発・効果検証・改善が、現在のミッション」とし、取り組み事例を紹介。「データからお客様を深く理解し、各人に最適なタイミングで情報・クーポンをお届けする。これは、やはりデジタルが強い分野」と話す。「クーポンがどの媒体でどれだけ反響があったかの追跡システムを新しく作り、PDCAを回すことで徐々に効果が出てきている」と話した。

磯部氏は、セゾンカードの「永久不滅ポイント」を扱うネット事業部で新規事業開発を担当している。「より交換したくなる、よりカードを使いたくなるアイテムやキャンペーンをカード会社の枠を越えて様々な業種・業態とコラボレーションする」として、サッカー日本代表やスターバックス、アパレルブランドなどとの取組み事例を紹介した。ユーザーの行動履歴を分析するツール「eMark+」を提供し、顧客・コラボ企業サイトへの集客拡大も目指している。

各企業のデータドリブン推進をサポートする立場から、加藤氏は「クライアントの『顧客をコア部分で理解する』『リアルタイムな要求に対応する』ために、オートメーション化の設計を考える。クライアントに対しては意思決定の基盤ベースを、生活者には最適な顧客価値体験を提供するプラットフォームの構築・運用を目指す」と話した。

IMJは今回のI・CONを通じて、「今こそデジタルシフトを加速させるべき」とのメッセージを強く打ち出した。紹介したプログラムのほかにも、デジタルマーケティングの2大テーマに掲げる「データドリブン」と「サービスデザイン」に関するセッションや展示が行われた。

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