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広告を「読む」。

広告を読めば、「スペック」が見えてくる。

山本高史

広告を読めば、なんかいろいろ見えてくる。例えば「スペック」のこと。

キヤノン・A-1(1978年) コピーライター 秋山晶

かつてメカニズムはロマンスだった。今メカニズムは、「その中」でしかないのかもしれない。

唐突に、1979年のTCC年鑑に掲載されているクルマの新聞広告の話をする。そこには計9点の日本の乗用車の車種及び企業広告(グラフィック)が掲載されている。ヴィジュアルからして隔世の感はあるが、論点はその訴求内容にある。縮刷なので可読部だけの判断になるが、そこに書かれていることは以下のようなものだ。

「高速巡航性能を実証します」「巾(トレッド)より長さ(ホイールベース)だと気付いたクルマがあったか」「ラック&ピニオンステアリングの優れた操縦性」「体の重みをふんわりと受けとめ、ジャストフィットする確かな居住性」「曲面ガラスがサイドまで回りこんだラップアラウンド・リヤウインド」「4リンクサスペンション(リヤ)の確かな乗り心地」「タテ置きだからシフトワークもクラッチ操作も自然です」。

そんな(懐かしい)言葉が各原稿にちりばめられ、そこには374~1764字(車種)、2250字(企業)のボディコピーが添えられる。別枠には、最高出力、最大トルク、10モード燃費、中にはエンジン形式まで記されているものまである。ボディコピーは読ま …

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