グローバル・エージェンシーの「ダイバーシティ」はきれいごとではない。型にはまった人材市場では見つけられない優秀なタレントを、枠を超えて起用する企業哲学・文化・体制をTBWAに見ることができた。
Nissanユナイテッドでは、液晶画面6面を壁面に設置し、全世界のNissanに関するSNS上の会話・分析内容を、社員が24時間モニタリングしていた。
アメリカ国内で先駆けて「CDO」職を設置
今回、視察を通じて浮かび上がってきたキーワードの一つに、「ダイバーシティ」がある。勝つチームの秘訣、強いクリエイティブの原動力は何か、というテーマになると、いずれの企業でも「多様な人材の様々な専門スキル・それぞれの見地からのアイデアを束ねること」という回答が返ってきた。
グローバル・エージェンシーにとってのダイバーシティはきれいごとではない。出身・性別・年齢・文化的背景や価値観、それまでのキャリアを問わず、実力・才能あるタレントを起用する、戦略的な人材登用が行われている。
TBWAでは、CDO(チーフ・ダイバーシティ・オフィサー)というポストがあり、人事部・広報部などと連携して、社内啓蒙やシナジーを発揮する制度づくりに取り組んでいる。今回視察で登壇したCDOのダグラス・メルバイル氏は、ブリトニー・スピアーズをはじめとし …
あと81%