Acxiom、Anomaly、Co:Collective、Code&Theory。視察では個性豊かな4社の企業を視察。旧来のビジネスモデルの枠組みを超えたビジネスモデル、企業哲学をレポートする。
結婚によって名前が変わる、引越しで住所が変わる、使い捨てアドレスでログインするなど、通常のデータ処理では同一人物を別人とみなしてしまう要因が多数ある。Acxiomは複数の膨大なデータを重ね、同一人物の識別を可能にしている。
「データ界の永世中立企業」が変えるマーケティングの未来
―Acxiom
日本に比べ、米国はデータドリブンマーケティングの進歩・浸透が著しいと言われているが、その背景には、生活者データのオープン化がある。政府・官公庁・自治体・企業が公開、流通させる生活者データは、Acxiom(アクシオム)など、個人情報のマネジメントソリューションを提供する企業を通じ、匿名化・統合され、企業の生活者とのパーソナライズドされたコミュニケーションに活用されている。
データマネジメントというとDMP(データマネジメントプラットフォーム)を連想するが、AcxiomはDMPではないという。「私たちはCookieだけではなく、メールアドレスや個人名、住所などの個人情報、デバイスごとに付与されているIPアドレスなど、様々な情報を複合的にマッチさせることで、オーディエンスを識別しています」とジュウヴ・フレデリック氏は言う。
スマートフォンの世界的な浸透に伴い、iPhoneはじめ、Cookie非対応・あるいは排除するモバイル側の動きがあり、行動履歴の取得および統合のための、新しいテクノロジー開発が急がれている。FacebookやGoogleといったプラットフォームも独自のテクノロジーを開発しているが、エコシステム内での活用にとどまっているのが現状だ。そうした中でAcxiomが提供するサービスは、生活者の個人情報を核とし、提携するFacebook、Yahoo!、Twitterはじめとするメディア上で、オーディエンスを識別できる。
データ統合は決して容易いことではない、とフレデリック氏は言う。「個人情報の登録一つとっても、生活者はその人生の中で、苗字が変わったり、ニックネームで登録したり、引越ししたりします。ブランドへの接触は、複数のデバイスをまたぎます。企業側はデータを取得しても、名前が変わったり、住所が変わったり、異なるデバイスからアクセスしてきたりする同一のユーザを、別個の人間として認識・処理してしまっていました」。こうした、同一人物のものと思しき情報を複合的に結び付け識別する技術は、45年前よりDM発送のデータマネジメント・サービスを提供してきた同社ならではという。
日本には2013年5月に2度目となる進出を果たしているが …