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「若者のもの離れ」対策会議

「若者のもの離れ」対策異業種会議~キリンビール×TBSテレビ×若者研究所 編

キリンビール×TBSテレビ×若者研究所

クルマ離れ、ビール離れ、テレビ離れ? 若者の「〇〇離れ」は本当に起きているのか。若者へのアプローチに成功した商品は、どのように若者と商品の接点を見つけたのだろう。若者と真剣に向き合い接点を探る異業種マーケターたちの対話から、若者との接点の糸口を探った。

左から、TBSテレビ 嵯峨祥平氏、博報堂ブランドデザイン 若者研究所 原田曜平氏、キリンビール 門田邦彦氏。

社会からの強制がなくなって起きた「○○離れ」

門田▶ 若者がビール離れをしているとよく言われます。でも、実はそうではなくて、「昔はビールを飲み過ぎていた」とも言えるのではないかと思います。今は居酒屋のドリンクメニューの数が昔と比べて格段に増え、「とりあえずビール!」が当たり前の時代ではなくなりました。これがビール離れと言われる一因ではないかと思います。

原田▶ 博報堂ブランドデザインの「若者研究所」(若者研)という組織で、約200人の学生と企業の商品開発や広告表現開発、レポーティングなどを行っています。日本企業でよく見られるのは、若者向けの商品企画なのに、おじさんが机の上でアイデアを練っているという光景です。若者研ではどの活動も「学生と一緒にやる」ことをポイントにしています。

嵯峨▶ 若者のテレビ離れのひとつは、圧倒的な視聴のボリュームゾーンである中高年ばかりをターゲットにしてしまい、若者向けの番組を作らなくなったことだと思っています。だから僕は若者向けの番組にチャレンジしたくて、王道の「恋愛」をテーマにした番組『恋んトス』を企画しました。モデルの卵や歯学生、料理教室の講師などオーディションで選ばれた男女が一緒に過ごすなかで恋が生まれたら告白、OKならカップルが成立します。事前の台本や演出はなく、投げたコインが表か裏かによってその先の展開がドラマチックに変わるのが特徴です。制作者を含め誰も先を予測できないリスクがありますが、それでも今までにない新たな挑戦をしたかったんです。

門田▶ 原田さんと嵯峨さんのお話からは「リアリティがある」ということが何よりも大事だということが伝わってきます。我々メーカーがついやってしまいがちなのは、時代とともに価値観も変わっているのに、それに気づかずに自分たちの思い込みだけで価値観を一方的に押し付けようとすること。これをすると必ず失敗しますね。

「一番搾り」は20代後半~30代前半の男性をメインターゲットにしています。実は、ビールを最も多く飲んでいるのは20代後半~30代と、50~60代なんです。30~40代は、結婚した瞬間からお小遣い制になって発泡酒に変わる(笑)。でも、ブランドは20代から維持される傾向にあって、キリンのビールを飲んでいた人はキリンの発泡酒に移る確率が高い。そういったマイブランドは、飲み始めてから2~3年、つまり20代前半で決まることが多いので、まずはその年代に向けた施策が大事だと考えています。

原田▶ ビール離れは、社会からの強制がなくなってしまったこともひとつの原因だと思います。今は、部下や後輩に「飲め!」という上司や先輩がいなくなってしまいましたよね。ビールは、飲んでいるうちに苦さがおいしくなっていくものですが、その最初のきっかけがなくなっている。お酒だけでなく、タバコも車も同じ構造で、意外とそれが消費にとって大きな損失になっていると感じます。

門田▶ そうですね。ただ、ビール離れと言われつつも…

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