ネイティブアドは、ユーザーの興味・関心や悩みに寄り添い、その解決策となるコンテンツをいかに紡ぎ出すかという視点が欠かせない。検索エンジン集客に深い知見を持つFaber Companyの古澤暢央会長と、同社と共にコンテンツマーケティング技術の研究を行う豊橋技術科学大学の吉田光男助教に、ユーザー視点に立ったコンテンツづくりの考え方を聞いた。
左が古澤氏、右が吉田氏。共同研究では、「情報分類・情報評価・自然言語処理などのテクノロジー」を併せ持つ、独自のコンテンツマーケティング技術を確立し、企業とユーザーの関係性の強化を目指している。
重要なのはユーザーを観察しニーズを理解すること
―コンテンツマーケティングに取り組む企業が増え、どのような変化を感じていますか。
古澤▶ コンテンツマーケティングやインバウンドマーケティングといった手法がここ1、2年注目されています。私の専門領域であるSEOの観点で言えば、サイトページをとにかく多く作ればよい・検索流入クエリのバリエーションを増やせばよいという発想が根本にあるように感じます。本来は、エンドユーザーの情報収集初期からコンバージョンに至るまでの一連の検索クエリと検索行動を分析し、それぞれの段階や悩みに応じたコンテンツを用意しておくことでユーザーから発見されやすくなること、さらには情報提供を通じた教育啓蒙を行ったり、ユーザーとのコミュニケーションを図ることが目的のはずです。また、SEO観点から少し離れますが、“面白いコンテンツ”を作ることばかりに捕らわれているケースを見かけます。確かに、一時的にはバズが起きて話題になりますが、実態としてユーザーの態度や行動を変容させたかというと、そうではない場合が大多数だと感じます。その結果、何の目的で作ったのか分からないようなコンテンツが、ネット上にたくさん量産されているような状況です。
吉田▶ 話題を喚起するのが目的で、サイトのテーマなどとはまったく関係のない、例えば…