ネイティブアドが注目される一方、国内で実践に踏み込んでいる企業はまだまだ少ない。ニキビケアブランドの「クレアラシル」を販売するRBジャパンが行った「クレアラシル×カゲロウプロジェクト」の事例からは、ネイティブアドに取り組む際の考え方やポイントを見ることができる。

50年以上の歴史を持つ「クレアラシル」。カゲプロとのコラボキャンペーンにより、高校生の認知もアップした。
高校生の中での「話題化」ツイッターでの言及数を指標に
RBでは、数年前から、グローバル全体でデジタルマーケティングを強化している。日本でもデジタルマーケティングを担うポジションが一年前に新設され、統括を任されたRBジャパン マーケティング本部 デジタルメディアマネージャーの趙恩淳氏は、「全商品のデジタル領域を横断して担当しています」と話す。
趙氏が取り組んだデジタル施策を象徴する事例が、ニキビケアブランド「クレアラシル」が行ったキャンペーンだ。同商品は、今年8月より、アーティストなどのボカロPによるマルチメディアプロジェクトで、若年層から絶大な人気を誇る「カゲロウプロジェクト(カゲプロ)」とコラボし、ティーン層、特に高校生向けのキャンペーンを展開した。
クレアラシルの課題は、ターゲットである10代の圧倒的な認知率の低さだったと趙氏は話す。「10年前までは、10代の若い層にとっては『ニキビケアといえばクレアラシル』だったのですが、現在の10代の人は、『クレアラシルってなに?』という感じで。『ニキビケアと言えば、クレアラシル』という訴求を目指しました」。
現在のティーン層は、テレビに接触する時間が減少すると共に、オンライン上でコンテンツを楽しむようになっている。それを踏まえ、昨年もデジタルを前面に押し出したユーザー投稿型のキャンペーン『言わせてクレアラシル!』を実施した。しかし、流入元をバナー広告にして訴求を目指した施策は、クリック率が低く、期待したような成果は上がらなかったという。「そこで分かったのは、特に高校生は、広告に対して敏感に反応し、警戒するということでした。一方で、自分の周りの人や仲の良い友人グループ、特にリーダーやインフルエンサーのような存在の話はよく聞くということが分かりました」。
高校生への訴求の最適化を考えると…