下着メーカーのワコールが8月2日の「パンツの日」に合わせてWebメディアに掲載したネイティブアド「私はパンツ」の企画は大きな成果を上げた。ワコール広報・宣伝部WEB・CRM企画課の北見裕介氏に、成功のポイントを聞いた。
媒体側からの提案で企画決定
今年8月2日、ツイッターなどのSNS上で、8月2日と語呂を合わせた「パンツの日」というキーワードが話題になった。この「パンツの日」に合わせ、ワコールでは、パンツを主人公にした「私はパンツ」というショートストーリーを募集すると共に、同社の情報サイト「WACOAL BODY BOOK」内に特設ページを設け、「私はパンツ」の短編を掲載するキャンペーンを行った。キャンペーンは話題を呼び、ショートストーリーの応募件数は約100件、サイトのPVは通常の2倍に達した。
この成功の導火線となったのが、パンツの日の2日前、7月31日に30~40代の女性に向けたライフスタイル情報を発信するWebマガジン「MYLOHAS(マイロハス)」に掲載された記事だった。「愛が訪れるスペシャルストーリー『私はパンツ』8月2日はパンツの日」という記事は、PRのカテゴリーになっているが、あるOLの恋の終わりと始まりを描いた読み物で、冒頭から終わりまで広告も商品説明もない。ただ、文末に「スペシャルストーリー『私はパンツ』はこちらにも」という見出しで3話分のリンクが張られており、その下にワコールの広告リンクがある。一見、何のPRかよく分からないこの記事こそ、ワコールと「マイロハス」編集部によるネイティブアドだ。
この仕掛けを考案したのが、同社の北見裕介氏。パンツが主人公の小説を主軸に据え、読者も巻き込む個性的かつ手の込んだ広告だが、どのように企画されたのだろうか。「ワコールグループ全体でパンツの日を盛り上げようということで…