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オウンドメディア 価値向上戦略

Web空間の“ハブ”として機能させるオウンドメディア

栗木 契(神戸大学大学院)

近年、トリプルメディアという概念が普及し、企業にとってのWeb空間は新たな時代を迎えている。マーケターは、オウンド・ペイド・アーンドと区分されるメディアをどのように捉え、機能させていくべきなのか。

フレームワーク再考

マーケティングやプロモーション関連の書籍や記事などにおいて、近年しばしば目にするようになった「オウンド」「ペイド」「アーンド」の3つのメディア。この新しい切り口が示しているのは、「新メディア」の誕生というよりは、「メディアの新しい捉え方」の生成だと言うべきだろう。以下では、この新しいフレームワークが、これからのマーケティングやプロモーションに何を示唆しているかを考えていきたい。フレームワークというのは便利なものだ。広く通じる因果関係や分類枠組みを知れば、複雑な現実がどのように成り立っているかを容易に読み解くことができるようになる。まずはこのフレームワークというものの役割から考えていこう。

「マーケティングとは、どのような活動を行うことか」。例えば、このように問われて、どのように答えるだろうか。典型的なひとつの回答は、いわゆる4つのPを列挙していくというものだろう。「マーケティングとは、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の4つの局面での活動を通じて、顧客を創造し維持しようとする企業活動である」。

このように4Pを挙げれば、およその説明としては、事足りる。本質に迫ろうとか、独自の見解を示そうとか、難しいことを言い出せば、不足は否めない。とはいえ、手っ取り早く、マーケティングという活動の全体像をバランスよく押さえることができるのは、悪くはない。

このように、ビジネスの現実を見通すのに優れたフレームワークは役立つ。もうひとつ…

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