なぜ2014年は「動画元年」と呼ばれるのか。これからの企業のマーケティングは、動画を活用することでどう変わっていくのだろうか。ヤフーの友澤大輔氏に聞く。

友澤大輔 氏(ともざわ・だいすけ)
ヤフー マーケティングソリューションカンパニー マーケティングイノベーション室 本部長。ベネッセコーポレーション、ニフティ、リクルート、楽天を経て、2012年ヤフー入社、デジタル技術とYahoo! JAPANのアセットを最大限に活用した新しいマーケティング手法を「広告主ヤフー」として積極推進する。
マーケティングの進化の鍵は「動画」にあり
「動画が今、注目を集める背景には3つの理由があると思います」とヤフーの友澤大輔氏は話す。その1つ目は、制作ツールの普及。機材が安くなり、スマートフォンでも簡単に撮影ができるようになった。編集ソフトも簡単に手に入り、映像制作そのものが簡単になっている。2つ目はインフラの整備。通信速度が高速化し、動画ファイルのやりとりがスムーズになった。3つ目は、マルチスクリーン時代の到来。マルチスクリーンで行う行動の約8割はWebの閲覧で、うち半数近くは映像を視聴しているという調査もある。多くの人にとって、動画は「日常化」したものになっているのだ。
それでは、いま「動画広告」が注目を集める理由は?「まず、ブランディングの手段として効果的であること。圧倒的な情報伝達容量を持ち、かつエモーショナルな訴えかけができる動画は、広告主への好意を形成し、エンゲージメントを生む手段として優れています。次に、テレビCMのリーチ補完の役割への期待です。『テレビ離れ』と言われる若者たちが、テレビの代わりに見ているのはスマホやタブレットなので、例えばCMとオンライン動画で同一素材を流すことで、テレビでは到達しづらくなった彼らへのリーチを確保できるという考え方です」。
これまでテレビCMを中心に展開してきたクライアントの中で、テレビと同じロジックのマーケティングをネットでも展開できるのではという期待が広がっている。さらに、オンライン動画であれば、テレビが“苦手”とする詳しいレポートの出力や、細かくターゲティングすることも可能で、本格的な効果検証がいよいよ動画でもできるのではないかと考えられている。
メディアと広告主で活用を推し進めていく
こうしたクライアントの期待を受け入れる ...