新潮社の「YONDA?」や「人の間にKDD。」などのコピーで知られる谷山雅計氏に、「心に残って価値を創り出す企業スローガン」を生み出すためのポイントを尋ねた。
「心に残って価値を生み出す企業スローガン」とは、どのようなものなのか。コピーライターとして数多くのキャッチフレーズやスローガンを生み出してきた谷山雅計氏は、3つのポイントを挙げる。
「普遍性、固有名詞性、持続性。多くの人が憶えている企業スローガンは、たいていこの3つをおさえています」。昨今、多くの企業は複数の事業を手掛けている。企業スローガンはそれらを包括的に表現する必要があるため、普遍性が求められる。
しかし、普遍性ばかりを意識するとどこの企業でも使えるような当たり障りのないきれいごとになりかねない。「全ての企業のスローガンとして通用する万能な言葉があります。それは『いいこと』。この言葉を企業名の前につけると、いちおうは全て成立します。でも、その企業ならではの、その企業にふさわしいとみんなが思うような固有名詞性がないと印象には残りません」。
谷山氏がスローガンの好例として挙げたのは ...
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