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つながりを深める「個客」マーケティング

「データ×アイデア」で変わる発想の未来

多賀谷昌徳×東畑幸多×福田憲一

ビッグデータの時代、クリエイターはいかにこうしたデータと関わり、よりよいクリエイティブにつなげていくべきか?データは、広告表現に限らないどんなクリエイティブを可能にするのか?3名のクリエイターによって様々な試みやアイデアが語られた。

クリエイターが考えるデータとの付き合い方

多賀谷 実は、僕は広告を作る上であまり消費者テストのデータを信用していません。データというのは過去すでに「掘り終った場所」ですから、これから作るものにそのまま反映しても意味がない。僕たちがやらなくてはいけないのは、すでにやったことではなく、今までにないやり方を提案することです。データの分析に時間をかけるのではなく、新たな仮説を立て、それを検証するために使うことが多いです。

東畑 ビジョンはデータから作れるか?という話ですよね。例えば、宮本武蔵は「俺は日本一の剣豪になる」とビジョンを掲げましたが、これはデータから導くものではありません。その後、宮本武蔵は、勝つために決闘会場を徹底的に調べて戦略を練りました。遅刻してきて西日を背にしたら相手が見づらくなるとか、相手が踏み出すところへ何かを置いておくとか。広告も同じだと思います。ヒットさせたい商品について絶対に勝ちに行くという戦略を練る際は、勝つために徹底的に調査データを使うというのが、これまでのデータとの付き合い方でした。

福田 前職からかれこれ10年ほどビックデータの解析などを行っていて、僕自身はデータとの付き合いは長いです。前職ではダイレクトマーケティングの分野に携わっており、ずっとクリエイティブの持つ力を数字で解き明かすことが問われてきました。その中で感じたのは、クリエイティブ以外は、割と予測が可能なものの、クリエイティブがうまくはまって結果が跳ね上がる現象は予測が難しいということです。そこでクリエイティブについてもっと深く知りたい、という気持ちが強くなり、AKQA入社に至りました。

    多賀谷昌徳氏の仕事

    img01

    P&G ファブリーズ「17才のファブリーズ」篇 テレビCM

データからクリエイティブジャンプは生まれるか

東畑 データへの意識が変わったのは、ホンダの「Sound of Honda ‒ Ayrton Senna 1989」など ...

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