『仁義なき戦い』『警視庁捜査一課9係』はじめ、実録路線映画やアクション映画、刑事ドラマで活躍してきた俳優の渡瀬恒彦さん。人情味にあふれるクールな2枚目として知られるが、1990年代のバスクリンのCMに出演したことが、自身の幅を広げてくれたという。

渡瀬恒彦氏(わたせ・つねひこ)
1970年「殺し屋人別帳」で 主演デビュー。79年に日本アカデミー賞他助演男優賞、81年にキネマ旬報主演男優賞を受賞。7月9日(水)夜9時よりテレビ朝日系連続ドラマ『警視庁捜査一課9係 season9』がスタート。
宣伝の仕事から俳優へ転身
足立 渡瀬さんは、広告会社のご出身なんですよね。俳優に転身されたのは、作る側と出る側の立場を両方体験してみようと考えてですか?
渡瀬 自分が芸能界に入ることには全然興味はなかったんです。元々電通PRに入社して、そこから先輩と独立して広告会社を作って。某ベッド会社の営業をしてました。その頃新人を探していた東映の映画本部長(当時)の岡田茂さんと出会い、スカウトされたんです。兄(渡哲也)の当時の給料を知っていたので、30歳まではやってみるかと思い、そのまま今に至ります。
足立 映画から、テレビに軸足を移したのはいつ頃からですか。
渡瀬 30年くらい前からです。テレビドラマは、昔は2クールが多かったんですよ。そうすると、最後まで脚本ができていないでしょう? 当時はそれが嫌だったのを覚えていますね。後から、思ったほど面白くならなかったな、なんてこともありましたし。
足立 なるほど。テレビCMにも ...
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