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会社が変わる、社風が変わる インナーブランディング最新事例

岸勇希が語る「コミュニケーションデザインは現場から経営領域へ」

岸勇希

トップが掲げる理念がどんなに正しくても、現場に正確に理解され、自分ごととして捉えられなければ、会社が変わることはない。経営から現場へ、一方通行のコミュニケーションではなく、現場が動くためには、社内においてどんなコミュニケーションの組み立が必要なのか。経営層と現場の向くベクトルを一致させ、会社を本当に変えていくための最前線の取り組みを追う。

CASE01 コナミスポーツクラブ

ミクロな依頼の裏に本質的な課題が潜んでいる

クライアントの本質的課題を追求した結果、行きついたのは社内のコミュニケーションデザインだった。当初、コナミスポーツクラブから寄せられた相談内容は、料金改定のコンサルティングだったという。「お聞きした時には『えっ、料金改定ですか?』と驚きました」と電通 岸勇希氏は話す。なぜ、料金なのか? スポーツクラブを運営するコナミスポーツ&ライフの経営者の話を聞くうちに、徐々に全体像が明らかになった。

スポーツクラブ業界最大手のコナミスポーツクラブは、各店舗で複数の料金体系が混在していた。料金改定の話は、こうした状況を改め、会員と長期的な関係を築くために「ONE KONAMI」として事業モデルを統一したいという大きな意思から発信されていた。

事業モデルの再構築となれば、経営戦略まで話をさかのぼらなければならない。そこで出てきたのが、同社が企業理念として掲げる「トータル健康パートナー」という言葉だった。

「トータル健康パートナー」という言葉には、「今後この業態が生き残るためには、施設提供業からサービス提供業にならなければならない」という経営者の思いが込められている。しかし、この言葉に接したとき、岸氏が率直に感じたのは「抽象的なこの言葉で、社内に対し、本当に真意が伝わっているだろうか?」ということだった。「経営者が発する想いの込もった言葉は、時にとても抽象的で難解なことがあります。ビジョン、戦略が共有できた上でないと具体的に何をすればよいか分かりにくい言葉なので、生活者にも、従業員にとっても実感しづらいものになってしまう。経営層の意志を翻訳し、現場に伝える言葉が必要でした」。

経営者と現場をつなぐ「ミッション」を策定

「トータル健康パートナー」という言葉を ...

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