「伊勢丹が報道姿勢重視のファッションニュースサイトを設立」とデビューを飾ってから約1年半。「FASHION HEADLINE」は順調に読者を拡大している。同サイトの運営体制について話を聞いた。
百貨店の中は元々コンテンツの宝庫
「FASHION HEADLINE」は、2012年12月に三越伊勢丹ホールディングスのオウンドメディアとして立ち上げられたニュースサイト。運営元は、ファッションヘッドラインで、三越伊勢丹ホールディングスとインターネットメディア事業を行うイードが立ち上げた合弁会社だ。中立性の高いニュースメディアを目指し、報道の姿勢を重視していることが特徴だ。
その設立の背景について、ファッションヘッドライン代表取締役 田沼和俊氏は次のように説明する。「百貨店は、DMなどを使って既存のお客様のロイヤリティを上げていくことは得意。しかし、幅広い人にリーチするコミュニケーションは苦手です。また、デジタル化による世の中のコミュニケーションスピードに同期できていないのも課題でした。そこで、我々とは真逆の存在の人たちに注目し、小回りの利くチームを共に立ち上げ、こうした課題に取り組んでいこうと考えたのです」。
百貨店の店舗には、季節の催事や各種イベント・展覧会など、元々多彩なコンテンツが存在している。店舗に足を運ばない人たちにも、Webメディアを使って百貨店からのコンテンツを発信していきたいという思いがあった。“中立性を持つニュースメディア”にこだわったのも、伊勢丹がこれまでリーチできなかった層にアプローチしたいという気持ちの表れだ。「企業が自分の魅力だけを発信していても、一般の人には魅力的な情報として映らない。第三者の目で見て『面白い』と感じるニュースを取り上げてもらうことが大事で、そこに社外のパートナーと組む意味がありました」。今回パートナーとなったイードは、元々複数のWebメディア運営の実績を持つ会社で、何社かと顔合わせをした上で組むことになったという。
h2>Webメディア運用の知見を社内に蓄積とはいえ、PRでも企業広報でもないコンテンツを制作することに、社内からは疑問や反対の声はなかったのか ...