人材育成の課題、部員間でのスキルトランスファー(技能継承)では、「着目力」「発想力」「実践力」が求められるとマーケティングメソッド研究所の大島一豊氏は語る。
マーケティングとは何か?なぜ、必要なのか?
マーケッター育成に関する最大の課題は、まず、マーケティングとは何なのか?そして、なぜ、それが必要なのか?を理解することです。私自身、大学卒業後、就職した会社でマーケティングを学び、現在、教育する場などで数々の経験をしてきました。そういう経験から鑑みると主にこの2つが重要であると感じています。この段階をスルーしてしまうとほとんどの場合、大きな壁に遭遇することになり、その成長が阻まれます。
1つめの「マーケティングとは?」については、定義や言葉の意味など知識はもちろん必要ですがマーケティングの本質を理解するためには、その定義が制定された背景、いわゆる歴史やその時代の社会・経済環境、消費生活者動向、人々の暮らしなどを知ることが必要不可欠です。
次に2つめの「なぜ、それが必要なのか?」についてはこれからマーケッターとしてそれを実践していくには重要なファクターです。マーケティングを学ぶ必然性を充分に理解できでいるかどうか、後々大きな力の差となることは間違いありません。
一見、遠回りのように思えますが企業にとって人材育成は、このような入口にこそ細心の注意を払わなければならないと考えます。
独自のマーケティング定義策定で基準づくりを
マーケッターの育成のためにすべきことは、自社オリジナルのマーケティング定義を ...
あと86%